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リソソームが活動に加わる

Lysosomes get into the action

Editor's Choice

Sci. Signal. 24 Jan 2017:
Vol. 10, Issue 463,
DOI: 10.1126/scisignal.aam8020

Nancy R. Gough

Science Signaling, AAAS, Washington, DC 20005, USA

Z. Padamsey, L. McGuinness, S. J. Bardo, M. Reinhart, R. Tong, A. Hedegaard, M. L. Hart, N. J. Emptage, Activity-dependent exocytosis of lysosomes regulates the structural plasticity of dendritic spines. Neuron93, 132–146 (2017).Google Scholar

リソソームが活動依存性に細胞膜と融合することによって、樹状突起リモデリングが刺激される。

要約
ニューロンは、シナプス活動に反応して、樹状突起の大きさと形の持続的な形態変化を示す。このような構造的変化には細胞外マトリックスのリモデリングが必要であり、この過程は、マトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)阻害剤であるタンパク質TIMP-1によって妨げられる。Padamseyらは、リソソーム機能の阻害(化学物質GPNによる)、リソソームCa2+貯蔵の阻害(化学物質モネンシンまたはバフィロマイシンによる)、リソソームを介するCa2+放出の阻害(NAADPアンタゴニストNED-19による)、あるいはリソソームの細胞膜との融合の阻害(組換えシナプトタグミン7の細胞質ドメインによる)により、海馬スライス標本において、逆伝播活動電位に誘発されるCa2+シグナルが減少し、樹状突起棘の活動誘発性の持続的な拡大が障害されることを見出した。電気生理学的実験により、逆伝播活動電位中に発生するリソソームを介するCa2+シグナルには、電位依存性カルシウムイオンチャネル(VGCC)を介したCa2+流入が必要であることが示された。リソソームの活動依存性の融合は、SEP[pH感受性型の緑色蛍光タンパク質(GFP)]をリソソーム膜タンパク質LAMP2の内腔部分に融合させることによって検出された。解離ニューロン培養におけるLAMP2-SEP蛍光の観察から、脱分極によるVGCCの活性化によってリソソーム融合の増加が引き起こされるためには、細胞外Ca2+の増加が存在する場合であっても、リソソームからのNAADPを介するCa2+放出が必要であることが明らかになった。海馬スライスにおいて、中性と酸性両方のpH値で作用するリソソームプロテアーゼであるカテプシンBの細胞外活性が、脱分極に反応して上昇し、MMP活性の脱分極誘発性の上昇は、NAADPを介するリソソーム融合とカテプシンB活性に依存した。リソソームの細胞膜との融合をシナプトタグミン7ドメインまたはNAADP阻害剤NED-19によって阻害すると、海馬スライスにおいて、活性化された樹状突起棘の安定した拡大が妨げられた。リソソーム融合の阻害時にカテプシンBを添加すると、棘突起の拡大が回復した。細胞外カテプシンB活性の薬理学的阻害によっても、棘突起拡大が障害され、これはMMP9の添加によって回復した。したがってリソソームは、細胞膜との調節された融合を起こし、樹状突起リモデリングを可能にする酵素を放出することによって、シナプス可塑性に関与する。

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2017年1月24日号

Editor's Choice

リソソームが活動に加わる

Research Article

ERKシグナル伝達経路は覚醒中に活動によって誘導される遺伝子発現を介して睡眠時間を調節する

ニューロンにおけるSer1928のリン酸化は、β2-アドレナリン受容体によるL-型Ca2+チャネルCav1.2の活性を亢進する

PKAによるSer1928のリン酸化は急性高血糖および糖尿病時にL型Ca2+チャネルCaV1.2および血管収縮を刺激する

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