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パルス性SHIP1阻害によるT細胞機能とNK細胞機能の二元的促進が抗腫瘍免疫と生存を改善する

Dual enhancement of T and NK cell function by pulsatile inhibition of SHIP1 improves antitumor immunity and survival

Research Article

Sci. Signal. 10 Oct 2017:
Vol. 10, Issue 500, eaam5353
DOI: 10.1126/scisignal.aam5353

Matthew Gumbleton1,*,†, Raki Sudan1,*, Sandra Fernandes1, Robert W. Engelman2,3,4, Christopher M. Russo5, John D. Chisholm5, and William G. Kerr1,5,6,7,‡

1 Department of Microbiology and Immunology, State University of New York (SUNY) Upstate Medical University, Syracuse, NY 13210, USA.
2 Department of Pathology and Cell Biology, University of South Florida, Tampa, FL 33612, USA.
3 Department of Pediatrics, University of South Florida, Tampa, FL 33612, USA.
4 H. Lee Moffitt Comprehensive Cancer Center and Research Institute, University of South Florida, Tampa, FL 33612, USA.
5 Department of Chemistry, Syracuse University, Syracuse, NY 13210, USA.
6 Department of Pediatrics, SUNY Upstate Medical University, Syracuse, NY 13210, USA.
7 Centre d'Immunologie de Marseille-Luminy, Marseille, France.

‡ Corresponding author. Email: kerrw@upstate.edu

* These authors contributed equally to this work.

† Present address: Department of Medicine, University of Utah, Salt Lake City, UT 84132, USA.

要約
一部のがん患者で免疫療法が奏効したことにより、悪性腫瘍を根絶する細胞傷害性リンパ球の著明な能力が明らかにされている。免疫細胞活性を抑制する主要なチェックポイントタンパク質を遮断することによって、さまざまな免疫療法が機能する。ホスファターゼSHIP1(SH2含有イノシトールポリリン酸-5-ホスファターゼ)は、ナチュラルキラー(NK)細胞とT細胞を活性化する受容体からのシグナル伝達を制限する。ところが予想外なことに、遺伝子破壊の研究では、SHIP1欠損NK細胞およびT細胞のエフェクター機能はin vivoで損なわれることが示されている。免疫細胞を慢性的に活性化させると、シグナルの活性化に対するこれらの細胞の応答性が低下することから(自己免疫を回避するための宿主機構)、われわれは、これらの実験でSHIP1阻害によって抗腫瘍免疫を誘導できなかった原因は、遺伝子破壊の永続性にあるものと仮定した。そして、3-α-アミノコレスタン(3AC、別名"SHIPi")による可逆的なパルス性SHIP1阻害によって、NK細胞とCD8+ T細胞の抗腫瘍反応がin vitroおよびin vivoで亢進されることを見出した。リンパ腫および結腸がんのマウスモデルでは、一過性のSHIP1阻害によって、生存率中央値と長期無腫瘍生存率が改善された。養子移植試験では、SHIPi処理された長期生存マウス由来の血液リンパ系細胞における腫瘍に対する免疫記憶の証拠が示された。これらの知見から、一部のがん患者ではパルス性SHIP1阻害が有効な免疫療法になる可能性が示唆されている。

Citation: M. Gumbleton, R. Sudan, S. Fernandes, R. W. Engelman, C. M. Russo, J. D. Chisholm, W. G. Kerr, Dual enhancement of T and NK cell function by pulsatile inhibition of SHIP1 improves antitumor immunity and survival. Sci. Signal. 10, eaam5353 (2017).

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