- ホーム
- マウス造血細胞の内在性レチノイドX受容体リガンド
マウス造血細胞の内在性レチノイドX受容体リガンド
Endogenous retinoid X receptor ligands in mouse hematopoietic cells
Sci. Signal. 31 Oct 2017:
Vol. 10, Issue 503, eaan1011
DOI: 10.1126/scisignal.aan1011
Haixia Niu1, Hideji Fujiwara2, Orsola di Martino1, Gayla Hadwiger1, Thomas E. Frederick3, María P. Menéndez-Gutiérrez4, Mercedes Ricote4, Gregory R. Bowman3, and John S. Welch1,*
1 Department of Internal Medicine, Washington University School of Medicine, St. Louis, MO 63110, USA.
2 Diabetic Cardiovascular Disease Center, Washington University School of Medicine, St. Louis, MO 63110, USA.
3 Department of Biochemistry and Molecular Biophysics, Washington University School of Medicine, St. Louis, MO 63110, USA.
4 Myocardial Pathophysiology Area, Centro Nacional de Investigaciones Cardiovasculares Carlos III, Madrid 28029, Spain.
* Corresponding author. Email: jwelch@wustl.edu
要約
レチノイドX受容体α(RXRA)は、さまざまな血液学的過程に関与している。造血細胞に存在するRXRAの天然リガンドを同定するために、われわれは、上流活性化配列‐緑色蛍光タンパク質(UAS-GFP)レポーターマウスをin vivoで天然RXRAリガンドを検出するよう改変した。in vivoでさまざまな種類の造血細胞において、レポーター活性を観察した。レポーター活性は、顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)誘導性の顆粒球生成の過程で、また、フェニルヒドラジン(PHZ)誘発性貧血の後に上昇したことから、造血細胞における動的に調節された天然RXRAリガンドの存在が示唆された。マウス血漿はin vitroでGal4-UASレポーター細胞を活性化し、G-CSFまたはPHZで処理したマウスの血漿は、in vivoで観察されたレポーター活性化のパターンを再現した。食餌性ビタミンA欠乏マウスの血漿は、RXRAレポーター活性をわずかに低下させたのみであった一方、脂肪酸制限餌を与えたマウスの血漿はレポーター活性を低下させ、脂肪酸が血漿中のRXRAリガンドとして関与することが示唆された。差次的抽出法と質量分析の併用により、長鎖脂肪酸C24:5を、造血ストレスに反応して存在量が大幅に増加した天然RXRAリガンドとして同定された。これらのデータを総合すると、in vivoではマウス造血細胞に天然RXRAリガンドが存在し、その存在量は動的に増加することが示唆される。
Citation: H. Niu, H. Fujiwara, O. di Martino, G. Hadwiger, T. E. Frederick, M. P. Menéndez-Gutiérrez, M. Ricote, G. R. Bowman, J. S. Welch, Endogenous retinoid X receptor ligands in mouse hematopoietic cells. Sci. Signal. 10, eaan1011 (2017).