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加齢によってヒト単球でのインターフェロン誘導に必要な一次・二次RIG-Iシグナル伝達が両方とも損なわれる

Aging impairs both primary and secondary RIG-I signaling for interferon induction in human monocytes

Research Article

Sci. Signal. 12 Dec 2017:
Vol. 10, Issue 509, eaan2392
DOI: 10.1126/scisignal.aan2392

Ryan D. Molony1, Jenny T. Nguyen1, Yong Kong2, Ruth R. Montgomery3, Albert C. Shaw4, and Akiko Iwasaki1,5,*

1 Department of Immunobiology, Yale School of Medicine, New Haven, CT 06520, USA.
2 Department of Molecular Biophysics and Biochemistry, W. M. Keck Foundation Biotechnology Resource Laboratory, Yale School of Medicine, New Haven, CT 06520, USA.
3 Section of Rheumatology, Department of Internal Medicine, Yale School of Medicine, New Haven, CT 06520, USA.
4 Section of Infectious Diseases, Department of Internal Medicine, Yale School of Medicine, New Haven, CT 06520, USA.
5 Howard Hughes Medical Institute, Yale School of Medicine, New Haven, CT 06520, USA.

* Corresponding author. Email: akiko.iwasaki@yale.edu

要約
インフルエンザAウイルス(IAV)の呼吸器感染症による死亡の大部分を65歳以上の成人が占めているが、このような易罹患性の根底にある機構はほとんどわかっていない。IAV RNAは細胞質センサーであるレチノイン酸誘導性遺伝子I(RIG-I)によって検知され、それによって、ウイルスの拡散を抑制し、感染細胞の除去を促進するI型インターフェロン(IFN)の産生が誘導される。われわれは以前に、高齢(65歳以上)の健康なヒトドナー由来の単球において、I型IFNのIAV誘導性分泌は顕著に欠損しているが炎症性サイトカインは欠損していないことを同定している。本稿では、高齢成人由来の単球において、加齢によるプロテアソーム分解の亢進のせいでアダプタータンパク質TRAF3(腫瘍壊死因子受容体関連因子3)の存在量の低下がみられ、それによって、I型IFNの誘導に必要な一次RIG-Iシグナル伝達経路が損なわれていることを見出した。また、高齢成人由来の単球では、IFN調節転写因子IRF8の産生も効率的に促進できず、そのせいで二次RIG-Iシグナル伝達を介したIFN誘導も損なわれていることを特定した。若年成人由来の単球においてIRF8のノックダウンは高齢成人由来の単球でみられたIFN欠損を再現するのに十分であり、一方で、高齢成人の単球においてIRF8の発現の回復はRIG-I誘導性IFN応答を回復させるために十分であったことから、IRF8は単球におけるIFN誘導で中心的な役割を果たしていた。このように、加齢によって、I型IFN遺伝子の発現を調節する一次・二次RIG-Iシグナル伝達経路が両方とも損なわれ、そのせいでIAVに対する抗ウイルス抵抗性が損なわれる。

Citation: R. D. Molony, J. T. Nguyen, Y. Kong, R. R. Montgomery, A. C. Shaw, A. Iwasaki, Aging impairs both primary and secondary RIG-I signaling for interferon induction in human monocytes. Sci. Signal. 10, eaan2392 (2017).

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