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KIF22はCARとEGFRの動態を協調させてがん細胞の増殖を促進する

KIF22 coordinates CAR and EGFR dynamics to promote cancer cell proliferation

Research Article

Sci. Signal. 30 Jan 2018:
Vol. 11, Issue 515, eaaq1060
DOI: 10.1126/scisignal.aaq1060

Rosemary Pike1, Elena Ortiz-Zapater1,2, Brooke Lumicisi1, George Santis2, and Maddy Parsons1,*

1 Randall Division of Cell and Molecular Biophysics, King's College London, New Hunt's House, Guy's Campus, London SE1 1UL, UK.
2 Division of Asthma, Allergy and Lung Biology, King's College London, 5th Floor Tower Wing, Guy's Hospital Campus, London SE1 1UL, UK.

* Corresponding author. Email: maddy.parsons@kcl.ac.uk

要約

コクサッキー・アデノウイルス受容体(CAR)は、細胞間接着に重要な役割を果たす膜貫通型受容体である。CARは正常な上皮細胞に認められ、肺がんを含むヒト各種腫瘍で存在量が増加している。われわれは、CARががん細胞の増殖に寄与する潜在的機構を調べ、その結果、ヒト肺がん細胞におけるCARの除去により、足場非依存性増殖、上皮増殖因子(EGF)依存性増殖、およびin vivoの腫瘍増殖が低下することを見出した。EGFはキナーゼPKCδの活性化を介したCARのリン酸化と、その後の細胞接合部への再局在化を誘導した。EGFは、クロモキネシンKIF22へのCARの結合を促進した。微小管動態のKIF22依存性の調節により、EGFRの内部移行が遅延し、EGFRシグナル伝達が亢進し、細胞間接合部でのCAR動態の協調が生じた。これらのデータは、膜受容体の協調におけるKIF22の役割を示唆し、肺腫瘍の増殖と闘う新たな治療戦略候補を提供している。

Citation: R. Pike, E. Ortiz-Zapater, B. Lumicisi, G. Santis, M. Parsons, KIF22 coordinates CAR and EGFR dynamics to promote cancer cell proliferation. Sci. Signal. 11, eaaq1060 (2018).

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