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igfbp5a欠損ゼブラフィッシュのCa2+濃度依存性の早死から、適応性上皮増殖におけるIGFシグナル伝達の重要な役割が明らかに

Ca2+ concentration-dependent premature death of igfbp5a−/− fish reveals a critical role of IGF signaling in adaptive epithelial growth

Research Article

Sci. Signal. 18 Sep 2018:
Vol. 11, Issue 548, eaat2231
DOI: 10.1126/scisignal.aat2231

Chengdong Liu1,2,*, Yi Xin1,*, Yan Bai1, Grant Lewin1, Gen He2,3, Kangsen Mai2,3, and Cunming Duan1,†

1 Department of Molecular, Cellular and Developmental Biology, University of Michigan, Ann Arbor, MI 48109, USA.
2 The Key Laboratory of Mariculture, Education Ministry of China and College of Fisheries, Ocean University of China, Qingdao 266003, China.
3 Pilot National Laboratory for Marine Science and Technology (Qingdao), Qingdao 266237, China.

† Corresponding author. Email: cduan@umich.edu

* These authors contributed equally to this work

要約

表現型のギャップは、インスリン様増殖因子結合タンパク質(IGFBP)ファミリーにおける6つのアイソフォームなど、冗長な内分泌シグナル伝達経路の遺伝学的な分析の1つの課題である。過剰発現されたIGFBPはIGFの作用を阻害あるいは増強するか、またはIGF非依存性の作用をもつ可能性があるが、IGFBPをコードする遺伝子を欠損する変異マウスは主要な表現型を示さない。我々は igfbp5aを欠損したゼブラフィッシュは、Ca2+リッチな溶液中で飼育されたとき明確な表現型を示さないが、低Ca2+条件では早期に死亡することを見出した。igfbp5aを発現している一群の上皮細胞は、IGFシグナル伝達の活性化によって低Ca2+条件下でCa2+ を取り込み、増殖する。igfbp5aの欠失は低Ca2+ストレス誘導性のIGFシグナル伝達を鈍化させ、適応性増殖を障害した。ゼブラフィッシュにIgfbp5aを再導入すると適応性増殖が回復したが、そのリガンド結合を欠損した変異体では回復しなかった。同様に、igfbp5a欠損ゼブラフィッシュにおいて、ヒトIGFBP5の発現によって適応性増殖が回復したが、2つのがん関連IGFBP5変異体では回復しなかった。ヒト結腸がん細胞におけるIGFBP5のノックダウンにより、IGFにより刺激される細胞増殖が低下した。これらの結果は、局所的に発現したIgfbpが、上皮細胞におけるIGFシグナル伝達を活性化することで生物のCa2+ホメオスタシスおよび生存を制御し、Ca2+欠乏状態においてその増殖を促進するという、保存された機構を示している。これらの所見は、内分泌因子の機能喪失表現型を解析する際の、生理的背景の重要性を明らかにしている。

Citation: C. Liu, Y. Xin, Y. Bai, G. Lewin, G. He, K. Mai, C. Duan, Ca2+ concentration-dependent premature death of igfbp5a−/− fish reveals a critical role of IGF signaling in adaptive epithelial growth. Sci. Signal. 11, eaat2231 (2018).

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