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ストレスを受けると核内へ
Going nuclear with stress
Sci. Signal. 18 Sep 2018:
Vol. 11, Issue 548, eaav4285
DOI: 10.1126/scisignal.aav4285
Wei Wong
Science Signaling, AAAS, Washington, DC 20005, USA
K. H. Kim, J. M. Son, B. A. Benayoun, C. Lee, The mitochondrial-encoded peptide MOTS-c translocates to the nucleus to regulate nuclear gene expression in response to metabolic stress. Cell Metab. 28, 516-524.e7(2018).
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K. C. Mangalhara, G. S. Shadel, A mitochondrial-derived peptide exercises the nuclear option. Cell Metab. 28,330-331 (2018).
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ミトコンドリア由来のペプチドが代謝ストレスに応答して核内の遺伝子発現を調節する。
要約
ほとんどのミトコンドリアタンパク質は核遺伝子にコードされている(Mangalhara and Shadel参照)。Kimらは、ミトコンドリアゲノムにコードされており、さまざまな種類のストレスに応答して核内へ移行し、遺伝子発現を変化させるペプチドの特徴を明らかにした。MOTS-cは、ミトコンドリア12S rRNAの短い翻訳領域にコードされた16アミノ酸からなるペプチドであり、細胞代謝を調節する。塩基性条件下では、検出されたMOTS-cの大部分がミトコンドリアと会合していて、核内に貯留されている量はわずかだった。MOTS-cの核移行は、さまざまな種類の代謝ストレス(グルコース制限、血清不足、tert-ブチルヒドロペルオキシド[tBHP]などの多様な酸化ストレス誘発剤)によって一過的に促進された。核移行には、キナーゼAMPKの活性が必要であった。グルコース制限やtBHP曝露を受けた細胞では、MOTS-cは抗酸化応答に関与する転写因子NRF2とその標的遺伝子のうちの一部の抗酸化応答配列に結合していた。MOTS-cとの相互作用によってNRF2とその標的遺伝子との結合は促進された。野生型MOTS-cを過剰発現させると細胞はグルコースおよび血清の不足から保護されたが、核移行不全変異体ではそのような保護効果はみられなかった。これらの結果は、ミトコンドリア由来のペプチドが核の遺伝子発現を調節するために代謝ストレスに応答して核内へ移行することを示している。