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転写因子SP3はSmac模倣薬に応答してTNF-αの発現を誘導する

The transcription factor SP3 drives TNF-α expression in response to Smac mimetics

Research Article

Sci. Signal. 29 Jan 2019:
Vol. 12, Issue 566, eaat9563
DOI: 10.1126/scisignal.aat9563

Shawn T. Beug1,2, Herman H. Cheung1, Tarun Sanda1,2, Martine St-Jean1, Caroline E. Beauregard1,2, Hapsatou Mamady1, Stephen D. Baird1, Eric C. LaCasse1,*, and Robert G. Korneluk1,2,*

1 Apoptosis Research Centre, Children's Hospital of Eastern Ontario Research Institute, 401 Smyth Road, Ottawa, Ontario K1H 8L1, Canada.
2 Department of Biochemistry, Microbiology and Immunology, University of Ottawa, 451 Smyth Road, Ottawa, Ontario K1H 8M5, Canada.

*Corresponding author. Email: bob@arc.cheo.ca (R.G.K.); eric@arc.cheo.ca (E.C.L.)

要約

炎症性サイトカイン腫瘍壊死因子-α(TNF-α)の制御された産生および下流のシグナル伝達は、免疫とその抗がん作用に重要である。TNF-αによる慢性的な刺激は、いくつかの自己免疫疾患および炎症性疾患において宿主の健康に有害であるが、TNF-αは、その名前が意味するものとは反対に、細胞増殖および生存を促進することによってがん形成をもたらす。Smac模倣化合物(SMC)、アポトーシスタンパク質阻害剤(IAP)の低分子アンタゴニストは、TNF-αシグナルを生存の促進からがん細胞における死の促進へと切り替える。SMCからTNF-αを介したがん細胞死に必要な因子を同定するゲノムワイドなsiRNAスクリーニングにより、転写因子SP3を、核内因子κB(NF-κB)転写経路を関与させることによる基底およびSMC誘導性の両方のTNF-α産生における重要な分子として同定した。さらに、SP3活性によるTNF-αの発現促進は、SMC療法に対するがんと正常細胞との感度の差を与える。TNF-α産生およびシグナル伝達におけるSP3の重要な役割は、TNF-α生物学をさらに理解するのを助け、がんおよび炎症性疾患に関連する機構への洞察を提供するだろう。

Citation: S. T. Beug, H. H. Cheung, T. St-Jean, C. E. Beauregard, H. Mamady, S. D. Baird,E. C. LaCasse, R. G. Korneluk, The transcription factor SP3 drives TNF-α expression in response to Smac mimetics Sci. Signal. 12, eaat9563 (2019).

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