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シグナル伝達アダプターBCAPはFlightless-1との相互作用を介してマクロファージにおけるNLRP3およびNLRC4インフラマソーム活性化を阻害する

The signaling adaptor BCAP inhibits NLRP3 and NLRC4 inflammasome activation in macrophages through interactions with Flightless-1

Research Article

Sci. Signal. 14 May 2019:
Vol. 12, Issue 581, eaau0615
DOI: 10.1126/scisignal.aau0615

Samuel J. Carpentier1,*, Minjian Ni2,*, Jeffrey M. Duggan2,3, Richard G. James4,5, Brad T. Cookson1,6, and Jessica A. Hamerman2,3,†

1 Department of Microbiology, University of Washington, Seattle, WA 98195, USA.
2 Immunology Program, Benaroya Research Institute, Seattle, WA 98101, USA.
3 Department of Immunology, University of Washington, Seattle, WA 98109, USA.
4 Seattle Children's Research Institute, Seattle, WA 98101, USA.
5 Department of Pediatrics, University of Washington, Seattle, WA 98195, USA.
6 Department of Laboratory Medicine, University of Washington, Seattle, WA 98195, USA.

† Corresponding author. Email: jhamerman@benaroyaresearch.org

* These authors contributed equally to this work.

要約

ホスホイノシチド3-キナーゼ(PI3K)に対するB細胞アダプター(BCAP)は、B細胞におけるB細胞受容体シグナル伝達およびマクロファージにおけるToll様受容体(TLR)シグナル伝達の下流のPI3K経路を活性化するシグナル伝達アダプターである。BCAPは、クラスI PI3Kの調節性p85サブユニットに結合する大きなマルチドメインタンパク質である。マクロファージ中の他のBCAP相互作用タンパク質を同定するため、プロテオミクス分析を用いて、BCAPがカスパーゼ-1偽基質阻害剤Flightless-1およびその結合パートナーであるロイシンリッチ反復flightless相互作用タンパク質2と特異的に結合することを見出した。これらのタンパク質はNLRP3インフラマソームを阻害するため、われわれは、インフラマソーム機能におけるBCAPの役割を調べた。TLRプライミングに及ぼすその効果とは独立に、BCAPは、NLRP3およびNLRC4誘導性のカスパーゼ-1の活性化、細胞死、およびマクロファージからのIL-1β放出を阻害した。それにより、カスパーゼ-1依存性の仮性結核菌(Yersinia pseudotuberculosis)変異体のクリアランスは、BCAP欠損マウスにおいて増強された。メカニズムとして、BCAPはFlightless-1との結合を介して、NLRP3/ASCプレインフラマソーム内のプロカスパーゼ-1の動員と活性化を遅らせた。このように、BCAPは、マクロファージの主要な病原体感知経路を阻害する多機能シグナル伝達アダプターである。

Citation: S. J. Carpentier, M. Ni, J. M. Duggan, R. G. James, B. T. Cookson, J. A. Hamerman, The signaling adaptor BCAP inhibits NLRP3 and NLRC4 inflammasome activation in macrophages through interactions with Flightless-1. Sci. Signal. 12, eaau0615 (2019).

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