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PhoQはサルモネラ(Salmonella)の病原特性を微調整する不飽和脂肪酸受容体である

PhoQ is an unsaturated fatty acid receptor that fine-tunes Salmonella pathogenic traits

Research Article

Sci. Signal. 21 Apr 2020:
Vol. 13, Issue 628, eaaz3334
DOI: 10.1126/scisignal.aaz3334

María Ayelén Carabajal1,*, Gastón Viarengo1,*, Lucía Yim2, Adriana Martínez-Sanguiné2, Javier F. Mariscotti1, José A. Chabalgoity2, Rodolfo M. Rasia1,3, and Eleonora García Véscovi1,†

  1. 1 Instituto de Biología Molecular y Celular de Rosario, Consejo Nacional de Investigaciones Científicas y Tecnológicas, Universidad Nacional de Rosario, 2000 Rosario, Santa Fe, Argentina.
  2. 2 Departamento de Desarrollo Biotecnológico, Instituto de Higiene, Facultad de Medicina, Universidad de la República, 11600 Montevideo, Uruguay.
  3. 3 Área Biofísica, Facultad de Ciencias Bioquímicas y Farmacéuticas, Universidad Nacional de Rosario, 2000 Rosario, Santa Fe, Argentina.

† Corresponding author. Email: garciavescovi@ibr-conicet.gov.ar

* These authors contributed equally to this work.

要約

サルモネラ菌(Salmonella enterica)のPhoP/PhoQという二成分シグナル伝達システムは、病原特性をもたらす重要な病原性因子の時空間的な発現を調整する。われわれは生化学的および構造解析を通じて、センサーヒスチジンキナーゼPhoQが長鎖不飽和脂肪酸(LCUFA)の受容体として働き、このLCUFAとの結合がPhoQタンパク質のペリプラズムドメインのコンフォメーション変化を誘導することを見出した。これによってPhoQの自己キナーゼ活性の抑制が生じ、PhoP/PhoQ依存性遺伝子の発現阻害が導かれた。LCUFAであるリノール酸(LA)のPhoQによる認識は、LAの位置異性体および幾何異性体がPhoQの自己リン酸化を同程度阻害したことから、立体特異的ではなかった。このことは複数のサルモネラ菌の血清型で保存されていた。経口で獲得されたサルモネラは、ヒトの腸管内で、微生物叢によるLAの代謝変換産物である抱合型リノール酸(CLA)と遭遇することから、われわれはサルモネラ誘発性大腸炎のマウスモデルを用いて、CLAの短期経口投与がどのように腸管定着および全身播種に影響するかを検討した。未投与のマウスに比べてCLA投与マウスでは、野生型サルモネラの腸管定着および脾臓への播種が増大していた。一方、phoP変異株が全身に播種できないことは、CLA投与によっても変化しなかった。まとめるとわれわれの結果から、環境中のLCUFAはPhoQを阻害することで感染時のサルモネラの運命を微調整することが解明された。これらの所見は、新たなサルモネラ治療のデザインに役立つと考えられる。

Citation: M. A. Carabajal, G. Viarengo, L. Yim, A. Martínez-Sanguiné, J. F. Mariscotti, J. A. Chabalgoity, R. M. Rasia, E. G. Véscovi, PhoQ is an unsaturated fatty acid receptor that fine-tunes Salmonella pathogenic traits. Sci. Signal. 13, eaaz3334 (2020)

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