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EGFはヒストンH3のリン酸化およびアセチル化を促進することにより肝細胞がんにおけるDKK1の転写を促進する

EGF promotes DKK1 transcription in hepatocellular carcinoma by enhancing the phosphorylation and acetylation of histone H3

Research Article

Sci. Signal. 10 Nov 2020:
Vol. 13, Issue 657, eabb5727
DOI: 10.1126/scisignal.abb5727

Jie Niu1,*, Wei Li1,*, Chao Liang1, Xiao Wang1, Xin Yao1, Ruo-Han Yang1, Zhan-Sheng Zhang1, Han-Fang Liu1, Fan-Ye Liu1, Shu-Hua Pei1, Wen-Qi Li1, Hua Sun1, Dong Fang1,†, and Song-Qiang Xie1,2,†

  1. 1 Institute for Innovative Drug Design and Evaluation, School of Pharmacy, Henan University, N. Jinming Ave., Kaifeng 475004, China.
  2. 2 Institute of Chemical Biology, School of Pharmacy, Henan University, N. Jinming Ave., Kaifeng 475004, China.

† Corresponding author. Email: emailfangdong@163.com (D.F.); xiesq@henu.edu.cn (S.-Q.X.)

* These authors contributed equally to this work.

要約

タンパク質Dickkopf-1(DKK1)は、肝細胞がん(HCC)においてしばしば転写レベルで過剰発現され、Wntシグナル伝達エフェクターであるβ-カテニンの誘導を通じて転移の進行を促進する。われわれは、DKK1の発現がHCCでどのように誘導されるかを調べ、上皮成長因子受容体(EGFR)の活性化が、エピジェネティックにDKK1転写を刺激するよう収斂する2つの並行な経路MEK-ERKおよびPI3K-Aktシグナル伝達を促進することを発見した。EGFで刺激されたHCC細胞株では、EGFR活性化ERKがキナーゼPKM2をSer37でリン酸化し、PKM2の核移行を促進した。また、この細胞では、EGFR活性化Aktがアセチルトランスフェラーゼp300をSer1834でリン酸化した。続いて、PKM2とp300は、DKK1プロモーターでヒストンH3のリン酸化とアセチル化をそれぞれ媒介し、DKK1の転写を相乗的に増強した。この機構は、細胞における変異解析およびラットの化学的に誘発されたHCCモデルで裏付けられた。これらの知見は、MEKおよびPI3K経路の二重阻害がDKK1の発現を抑制し、その結果、HCC患者の腫瘍転移を抑制する可能性があることを示唆している。

Citation: J. Niu, W. Li, C. Liang, X. Wang, X. Yao, R.-H. Yang, Z.-S. Zhang, H.-F. Liu, F.-Y. Liu, S.-H. Pei, W.-Q. Li, H. Sun, D. Fang, S.-Q. Xie, EGF promotes DKK1 transcription in hepatocellular carcinoma by enhancing the phosphorylation and acetylation of histone H3. Sci. Signal. 13, eabb5727 (2020).

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