• ホーム
  • Aβオリゴマーはアルツハイマー病モデルマウスにおいて病態生理学的なmGluR5シグナル伝達を性選択的に誘導する

Aβオリゴマーはアルツハイマー病モデルマウスにおいて病態生理学的なmGluR5シグナル伝達を性選択的に誘導する

Aβ oligomers induce pathophysiological mGluR5 signaling in Alzheimer’s disease model mice in a sex-selective manner

Research Article

Sci. Signal. 15 Dec 2020:
Vol. 13, Issue 662, eabd2494
DOI: 10.1126/scisignal.abd2494

Khaled S. Abd-Elrahman1,2,3,*, Awatif Albaker1,2,4,*, Jessica M. de Souza1,2,5, Fabiola M. Ribeiro5, Michael G. Schlossmacher1,2,6,7, Mario Tiberi1,2,6,7,8, Alison Hamilton1,2,†, and Stephen S. G. Ferguson1,2,†,‡

  1. 1 University of Ottawa Brain and Mind Research Institute, Ottawa, Ontario K1H 8M5, Canada.
  2. 2 Department of Cellular and Molecular Medicine, University of Ottawa, Ottawa, Ontario K1H 8M5, Canada.
  3. 3 Department of Pharmacology and Toxicology, Faculty of Pharmacy, Alexandria University, Alexandria 21521, Egypt.
  4. 4 Department of Pharmacology and Toxicology, College of Pharmacy, King Saud University, Riyadh 12371, Saudi Arabia.
  5. 5 Department of Biochemistry and Immunology, ICB, Universidade Federalde Minas Gerais, Belo Horizonte 31270-901, Brazil.
  6. 6 Department of Medicine, University of Ottawa, Ottawa, Ontario K1H 8M5, Canada.
  7. 7 Neuroscience Program, Ottawa Hospital Research Institute, Ottawa, Ontario, K1H 8L6, Canada
  8. 8 Department of Psychiatry, University of Ottawa, Ottawa, Ontario K1H 8M5, Canada.

‡ Corresponding author. Email: sferguso@uottawa.ca

* These authors contributed equally to this work.

† These authors contributed equally as co-senior authors.

要約

アルツハイマー病(AD)の病理学的特徴は男性患者でも女性患者でもβアミロイド(Aβ)の沈着であるが、ADの有病率、症状、進行は男女で異なる。Aβに誘導される神経細胞のグルタミン酸受容体mGluR5の活性化は、ADの進行に関連づけられている。しかし、われわれはmGluR5が性別に依存した特徴的なプロファイルを示すことを明らかにした。具体的には、雄マウスの皮質組織と海馬組織から単離されたmGluR5はAβオリゴマーに高親和性で結合したが、雌マウスの皮質組織と海馬組織から単離されたmGluR5はそこまでの親和性を示さなかった。このような性選択的なAβ-mGluR5間の相互作用は、エストロゲンに依存している様子はなく、むしろ、雄マウスの脳ホモジネートでのみ検出された細胞プリオンタンパク質(PrPC)とAβとの相互作用に依存しているようであった。mGluR5、Aβオリゴマー、PrPCの三元複合体は、初代培養ニューロンでmGluR5依存性の病理学的なオートファジー抑制を引き起こすために不可欠であった。mGluR5を薬理学的に阻害すると、雄のAPPswe/PS1ΔE9マウスではオートファジーが再活性化され、Aβの病態が軽減され、認知機能低下から回復したが、雌のAPPswe/PS1ΔE9マウスではそのような作用は認められなかった。また、Aβオリゴマーは、男性ドナーの死後に提供された大脳組織から単離されたヒトmGluR5には高親和性で結合したが、女性ドナーの場合には結合しなかったことから、この機構が患者に関連している可能性が示唆された。これらの知見は、mGluR5が女性患者のAβの病態には関与しないことを示しており、mGluR5の薬理作用とAβシグナル伝達の複雑性を浮き彫りにし、AD治療法を評価する臨床試験における性特異的な層別化の必要性を支持している。

Citation: K. S. Abd-Elrahman, A. Albaker, J. M. de Souza, F. M. Ribeiro, M. G. Schlossmacher, M. Tiberi, A. Hamilton, S. S. G. Ferguson, Aβ oligomers induce pathophysiological mGluR5 signaling in Alzheimer's disease model mice in a sex-selective manner. Sci. Signal. 13, eabd2494 (2020).

英文原文をご覧になりたい方はScience Signaling オリジナルサイトをご覧下さい

英語原文を見る

2020年12月15日号

Editor's Choice

シグナル伝達パターンを確立する

Research Article

Aβオリゴマーはアルツハイマー病モデルマウスにおいて病態生理学的なmGluR5シグナル伝達を性選択的に誘導する

TGF-βシグナル伝達におけるSMAD2による転写コアクチベーター認識の構造的基盤

最新のResearch Article記事

2021年4月13日号

mTORC2は保存されたTOR相互作用モチーフのリン酸化によってPKCおよびAktの活性を調節する

DDAH2は一酸化窒素により活性化されるDrp1誘導性のミトコンドリア分裂を刺激することによってRLR-MAVSを介する抗ウイルス自然免疫を抑制する

2021年4月6日号

骨髄系細胞由来HOClは、メラノーマ細胞のIKK/NF-κBをトランス阻害し早期の腫瘍進展を抑制するパラクリンエフェクターである

mGlu2/mGlu4受容体ヘテロ二量体による前頭前皮質内側部におけるグルタミン酸作動性シナプス伝達の入力特異的な調節

2021年3月30日号

GRK5のN末端ペプチドが圧過負荷肥大心および心不全を軽減する