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シグナル伝達パターンを確立する

Establishing patterns of signaling

Editor's Choice

Sci. Signal. 15 Dec 2020:
Vol. 13, Issue 662, eabg1206
DOI: 10.1126/scisignal.abg1206

John F. Foley

Science Signaling, AAAS, Washington, DC 20005, USA

N. R. Latorraca, M. Masureel, S. A. Hollingsworth, F. M. Heydenreich, C.-M. Suomivuori, C. Brinton, R. J. L.Townshend, M. Bouvier, B. K. Kobilka, R. O. Dror, How GPCR phosphorylation patterns orchestrate arrestin-mediated signaling. Cell 10.1016/j.cell.2020.11.014 (2020). Google Scholar

GPCRのC末端テールのリン酸化パターンが、アレスチンの動員と立体構造への影響を決定する。

要約

Gタンパク質共役受容体(GPCR)へのリガンドの結合は、Gタンパク質シグナル伝達の活性化のみならず、GPCRキナーゼによる細胞内残基のリン酸化も誘導し、これがアレスチンタンパク質の動員を促進する。アレスチンはGタンパク質の共役を阻害することでGPCRを脱感作し、GPCRの内部移行を促し、さらにエンドソームのシグナル伝達経路を活性化しうる。これまでの研究から、GPCR上の異なるリン酸化部位が、異なる機能をもつアレスチンタンパク質の会合をもたらすという、いわゆる「バーコード」仮説が確立されている。Latorracaらは分子動力学シミュレーションおよび部位特異的分光法(site-directed spectroscopy)を行い、V2バソプレシン受容体(V2R)がそのC末端テールの8つのリン酸化可能残基においてリン酸化することで、β-アレスチン1の動員とコンホメーションに対してどのように影響するかを明らかにすることで、この仮説の構造的基礎を確立した。全体としてV2Rのリン酸化パターンは、アレスチンの結合および活性化に伴うコンホメーション変化に異なる方法で影響し、これらの影響はリン酸基の数ではなく、大部分、多様なリン酸基の空間的構成に依存していた。したがって、アレスチンの強力な結合をもたらすリン酸化パターンは、必ずしもアレスチンの活性コンホメーション形成を引き起こすものではなく、一定の残基のリン酸化がアレスチンの結合や活性化を刺激または阻害するかは、既にリン酸化されていたその他の残基に依存していた。まとめるとこれらの所見は、GPCRに結合する薬物がどのようにして、(下流エフェクターへの影響をもつ)アレスチンの結合とコンホメーションに作用する別々のリン酸化パターンを誘導することで、特定の細胞機能を刺激できるのかという説明に役立つ。

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2020年12月15日号

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