• ホーム
  • SARS-CoV-2 nsp16による効率的な2′-O-メチル基転移のため、Mn2+がCap-0-RNAを調整して基質を整列させている

SARS-CoV-2 nsp16による効率的な2′-O-メチル基転移のため、Mn2+がCap-0-RNAを調整して基質を整列させている

Mn2+ coordinates Cap-0-RNA to align substrates for efficient 2′-O-methyl transfer by SARS-CoV-2 nsp16

Research Article

Science Signaling 29 Jun 2021:
Vol. 14, Issue 689, eabh2071
DOI: 10.1126/scisignal.abh2071

George Minasov1,2, Monica Rosas-Lemus1,2, Ludmilla Shuvalova1,2, Nicole L. Inniss1,2, Joseph S. Brunzelle3, Courtney M. Daczkowski4, Paul Hoover1, Andrew D. Mesecar2,4, Karla J. F. Satchell1,2*

  1. 1 Department of Microbiology-Immunology, Northwestern University, Feinberg School of Medicine,,Chicago, IL 60611, USA.
  2. 2 Center for Structural Genomics of Infectious Diseases, Northwestern University, Feinberg School of Medicine, Chicago, IL 60611, USA.
  3. 3 Northwestern Synchrotron Research Center, Life Sciences Collaborative Access Team, Northwestern University, Argonne, IL 60439, USA.
  4. 4 Department of Biochemistry and Department of Biological Sciences, Purdue University, West Lafayette, IN 47907, USA.

* Corresponding author. Email: k-satchell@northwestern.edu

要約

ウイルスのメッセンジャーRNAのキャッピングは、効率的な翻訳、ウイルス複製、および宿主細胞の自然免疫応答系による検出の回避のために不可欠である。SARS-CoV-2ゲノムは2′-O-メチルトランスフェラーゼnsp16をコードしており、nsp16はS-コアクチベーターnsp10と結合すると、S-アデノシルメチオニン(SAM)を供与体として使用してウイルスmRNAキャッピングの最終段階でmRNAの最初のリボヌクレオチドにメチル基を転移する。今回われわれは、この反応には二価カチオン(主としてMn2+)およびコロナウイルス特異的な4つの挿入残基を必要とするという、生化学的および構造的エビデンスを提示している。われわれは、その反応基質、生成物および二価金属カチオンと複合体を形成しているSARS-CoV-2 2′-O-メチルトランスフェラーゼ(nsp16-nsp10ヘテロ二量体)のX線結晶構造を明らかにした。これらの構造的スナップショットから、金属イオンと挿入残基がキャップ化RNAとnsp16の間の相互作用を安定化させ、その結果として活性部位のリボヌクレオチドが正確に配列させていることが解明された。さらに、得られた2′-O-メチルトランスフェラーゼの構造と多様な生物からのキャップ化RNAを比較したところ、コロナウイルスnsp16に固有な4つの挿入残基が、結合溝中のキャップ化RNAの骨格構造を変化させ、それによって触媒作用を促進することが解明された。この挿入残基はコロナウイルス全体に高度に保存されており、一方で哺乳類のメチルトランスフェラーゼには存在していないことから、この領域は、構造に基づいた選択的コロナウイルス阻害薬の薬物設計に、有望な部位と考えられる。

Citation: G. Minasov, M. Rosas-Lemus, L. Shuvalova, N. L. Inniss, J. S. Brunzelle, C. M. Daczkowski, P. Hoover, A. D. Mesecar, K. J. F. Satchell, Mn2+ coordinates Cap-0-RNA to align substrates for efficient 2′-O-methyl transfer by SARS-CoV-2 nsp16. Sci. Signal. 14, eabh2071 (2021).

英文原文をご覧になりたい方はScience Signaling オリジナルサイトをご覧下さい

英語原文を見る

2021年6月29日号

Editor's Choice

アポトーシスを分散させて上皮を保護する

Research Article

SLX4IPはPIAS1によるRAP1 SUMO化を促進しNF-κBおよびNotchシグナル伝達を介してテロメアの維持を調整する

SARS-CoV-2 nsp16による効率的な2′-O-メチル基転移のため、Mn2+がCap-0-RNAを調整して基質を整列させている

最新のResearch Article記事

2021年10月5日号

cAMP生成の空間バイアスがPTH 1型受容体活性化に対する生物学的応答を決定する

T細胞の4つのPGE2受容体の個別および共通のシグナル伝達ネットワークを、システムズ・アプローチから解明

2021年9月28日号

SIRPαはSHP-2を隔離してIL-4およびIL-13のシグナル伝達とマクロファージのオルタナティブ活性化を促進する

メタボロミクスによるT細胞誘導性大腸炎の活性スクリーニングから抗炎症性代謝物を解明

2021年9月21日号

ラパマイシンの範囲を超えるmTORC1の生物学を解明する