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アポトーシスを分散させて上皮を保護する

Distributing apoptosis protects epithelia

Editor's Choice

Science Signaling 29 Jun 2021:
Vol. 14, Issue 689, eabk1364
DOI: 10.1126/scisignal.abk1364

Annalisa M. VanHook

Science Signaling, AAAS, Washington, DC 20005, USA. Email: avanhook@aaas.org

L. Valon, A. Davidović, F. Levillayer, A. Villars, M. Chouly, F. Cerqueira-Campos, R. Levayer, Robustness of epithelial sealing is an emerging property of local ERK feedback driven by cell elimination. Dev. Cell 56, 1700-1711.e8 (2021). doi:10.1016/j.devcel.2021.05.006pmid:34081909.
Google Scholar

https://www.cell.com/developmental-cell/fulltext/S1534-5807(21)00435-4

P. A. Gagliardi, M. Dobrzyński, M.-A. Jacques, C. Dessauges, P. Ender, Y. Blum, R. M. Hughes, A. R. Cohen, O. Pertz, Collective ERK/Akt activity waves orchestrate epithelial homeostasis by driving apoptosis-induced survival. Dev. Cell 56, 1712-1726.e6 (2021). doi:10.1016/j.devcel.2021.05.007pmid:34081908.
Google Scholar

https://www.cell.com/developmental-cell/fulltext/S1534-5807(21)00436-6

EGFRシグナル伝達は、アポトーシス現象が空間的にも時間的にも限定されるようにすることによって、上皮の統合性を保護する。

要約

アポトーシスを起こした細胞は、個々の瀕死細胞の押し出しと、後に残った健常細胞の間の新たな接合部の形成を組み合わせた過程によって、上皮から排除される。アポトーシス細胞はまた、隣接する細胞の生存と増殖を刺激する。これらの機構の協働によって、高い細胞回転率にもかかわらず上皮はバリア機能を維持することができる。2件の研究において、上皮成長因子受容体(EGFR)シグナル伝達が、隣接する細胞の同時アポトーシスを防止することによって、ショウジョウバエおよびヒト上皮の統合性を維持することが報告されている。Valonらは、ハエ蛹の胸背板において自然に発生するアポトーシスおよび押し出し現象が、単一細胞、2連の細胞、あるいは直線状に配置された細胞に限定されることを見出した。隣接する細胞3個以上の集団において同時アポトーシスを誘導すると、組織の統合性が損なわれた。押し出された細胞に隣接する細胞におけるEGFRの下流の細胞外シグナル制御キナーゼ(ERK)の一過性の活性化により、押し出し後約1時間、隣接細胞がカスパーゼ活性化とアポトーシスから保護された。関連する研究において、Gagliardiらは、アポトーシスを起こしたヒト乳腺上皮細胞が、EGFRと、EGFRリガンドを放出するマトリックスメタロプロテアーゼに依存する形で、隣接細胞においてAktおよびERK活性化を刺激することを示した。この過程が、隣接細胞を数時間にわたりアポトーシスから保護し、飢餓または細胞傷害性薬剤による処理の後に上皮の統合性を維持するために必要であった。このように、EGFRシグナル伝達は、アポトーシス現象が時間的にも空間的にも分散されるようにすることによって、上皮を保護する。

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2021年6月29日号

Editor's Choice

アポトーシスを分散させて上皮を保護する

Research Article

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