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SERINCタンパク質は抗ウイルス性I型IFNの産生と炎症促進性シグナル伝達経路を増強する

SERINC proteins potentiate antiviral type I IFN production and proinflammatory signaling pathways

Research Article

SCIENCE SIGNALING
14 Sep 2021 Vol 14, Issue 700
DOI: 10.1126/scisignal.abc7611

Cong Zeng1,2, Abdul A. Waheed3, Tianliang Li4, Jingyou Yu1,2,†, Yi-Min Zheng1,2, Jacob S. Yount4, Haitao Wen4, Eric O. Freed3, Shan-Lu Liu1,2,4,5,*

  1. 1 Center for Retrovirus Research, Ohio State University, Columbus, OH 43210, USA.
  2. 2 Department of Veterinary Biosciences, Ohio State University, Columbus, OH 43210, USA.
  3. 3 Virus-Cell Interaction Section, HIV Dynamics and Replication Program, National Cancer Institute, Frederick, Frederick, MD 21702, USA.
  4. 4 Department of Microbial Infection and Immunity, Ohio State University, Columbus, OH 43210,USA.
  5. 5 Viruses and Emerging Pathogens Program, Infectious Diseases Institute, Ohio State University, Columbus, OH 43210, USA.

* Corresponding author. Email: liu.6244@osu.edu

† Present address: Center for Virology and Vaccine Research, Beth Israel Deaconess Medical Center, Harvard Medical School, Boston, MA 02115, USA.

要約

SERINC(serine incorporator)タンパク質は、自身がウイルス粒子に取り込まれることによってHIV感染を阻害する宿主の制限因子である。本稿でわれわれは、SERINC3およびSERINC5が、I型インターフェロン(IFN)および核因子ƙB(NF-ƙB)シグナル伝達をコードする遺伝子の発現を増強することで、抗ウイルス活性を亢進することを明らかにした。SERINC5はミトコンドリア外膜タンパク質MAVS(mitochondrial antiviral signaling)およびE3ユビキチンリガーゼであるアダプタータンパク質TRAF6と相互作用し、その結果としてMAVSの凝集およびTRAF6のポリユビキチン化が生じた。標的細胞中のSERINC5をノックダウンすると、single-roundのHIV-1感染が増強したのみならず、VSV-Gまたはエボラウイルス(EBOV)糖タンパク質を有する遺伝子組換え水疱性口内炎ウイルス(rVSV)による感染性も増強した。ジカウイルス(ZIKV)のアジア流行株FSS13025による感染もSERINC5のノックダウンによって増強されたことから、SERINC5は自身のウイルスへの取込みを介する間接的阻害に加え、宿主細胞において直接的な抗ウイルス活性をもつことが示唆された。さらなる実験から、SERINC5の抗ウイルス活性はI型IFN依存性であることが示唆された。まとめるとこれらの結果は、NF-ƙB炎症性シグナル伝達およびI型IFN産生の促進において機能し抗ウイルス活性に寄与するという、これまで特性が明らかにされていなかったSERINCタンパク質の機能を浮き彫りにしている。

Citation: C. Zeng, A. A. Waheed, T. Li, J. Yu, Y.-M. Zheng, J. S. Yount, H. Wen, E. O. Freed, S.-L. Liu, SERINC proteins potentiate antiviral type I IFN production and proinflammatory signaling pathways. Sci. Signal. 14, eabc7611 (2021).

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