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ThemisはT細胞におけるIL-2およびIL-15シグナル伝達に不可欠である

Themis is indispensable for IL-2 and IL-15 signaling in T cells

Research Article

SCIENCE SIGNALING
15 Feb 2022 Vol 15, Issue 721
DOI: 10.1126/scisignal.abi9983

Yongchao Liu1,†, Yu Cong2,3,†, Yujia Niu1,†, Yin Yuan1, Fancheng Tan1, Qian Lai2, Yanyan Hu1, Bowen Hou1, Jian Li1, Chunjie Lin1, Haiping Zheng2, Junchen Dong1, Jian Tang1, Qinwei Chen2, Joanna Brzostek4,5, Xueqin Zhang6, Xiao Lei Chen2, Hong-Rui Wang1,6, Nicholas R. J. Gascoigne4,5, Bing Xu2,7,*, Shu-Hai Lin1,*, Guo Fu1,2,3,6,*

  1. 1 State Key Laboratory of Cellular Stress Biology, Innovation Center for Cell Signaling Network, School of Life Sciences, Xiamen University, Xiamen, China.
  2. 2 Department of Hematology, First Affiliated Hospital and Institute of Hematology, School of Medicine, Xiamen University, Xiamen, China.
  3. 3 Cancer Research Center of Xiamen University, Xiamen, China.
  4. 4 Immunology Translational Research Programme, Yong Loo Lin School of Medicine, National University of Singapore, Singapore, Singapore.
  5. 5 Department of Microbiology and Immunology, Yong Loo Lin School of Medicine, National University of Singapore, Singapore, Singapore.
  6. 6 Department of Obstetrics and Gynecology, Affiliated Women and Children's Hospital, School of Medicine, Xiamen University, Xiamen, China.
  7. 7 Key Laboratory of Xiamen for Diagnosis and Treatment of Hematological Malignancy, Xiamen, China.

* Corresponding author. Email: guofu@xmu.edu.cn (G.F.); shuhai@xmu.edu.cn (S.-H.L.); xubing@xmu.edu.cn (B.X.)

† These authors contributed equally to this work.

要約:

T細胞は、抗ウイルスおよび抗腫瘍機能を実行するため、静止状態を維持または活性化するよう細胞に指示するT細胞受容体(TCR)と、細胞の増殖と分化を誘導するサイトカインの両方からのシグナルを統合しなければならない。成熟したCD8+ T細胞では、Themisは、TCRとサイトカインシグナルの統合に関与している。われわれは、Themisが成熟T細胞のサイトカインシグナル伝達に直接的な役割を果たすかどうかを調べた。Themisは、マウスとin vitroの両方でIL-2およびIL-15により誘導されるCD8+ T細胞の増殖に必要であった。われわれは、Themisがサイトカイン受容体の下流で転写因子Statの活性化とラパマイシン標的タンパク質シグナル伝達を促進することを発見した。メタボロミクスと安定同位体追跡解析により、Themisの欠損が解糖系とセリンおよびヌクレオチドの生合成を減少させることが明らかになり、T細胞の増殖を可能にする代謝変化を引き起こす際にThemisが受容体近位である必要性を示した。Themis欠損により引き起こされる細胞、代謝、および生化学的欠陥は、ThemisとホスファターゼShp1の両方を欠くマウスで修正され、ThemisがShp1の活性を抑制することによりIL-2およびIL-15の受容体近位シグナル伝達を媒介することを示唆した。合わせると、これらの結果は、サイトカインシグナル伝達の機構に光を当てるだけでなく、臨床応用のためにT細胞を操作する上での新たな手がかりを提供する。

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