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CARD11の893番目のセリンのリン酸化がT細胞およびB細胞におけるCARD11-BCL10-MALT1複合体の形成と活性を抑制する

Phosphorylation of serine-893 in CARD11 suppresses the formation and activity of the CARD11-BCL10-MALT1 complex in T and B cells

Research Article

SCIENCE SIGNALING
1 Mar 2022 Vol 15, Issue 723
DOI: 10.1126/scisignal.abk3083

Kerstin Kutzner1,†, Simone Woods1,†, Ozge Karayel2, Torben Gehring1, Hongli Yin1, Andrew Flatley3, Carina Graß1, Nicole Wimberger1, Marie J. Tofaute1, Thomas Seeholzer1, Regina Feederle3, Matthias Mann2, Daniel Krappmann1,*

  1. 1 Research Unit Cellular Signal Integration, Helmholtz Zentrum München-German Research Center for Environmental Health. Ingolstaedter Landstr. 1, 85764 Neuherberg, Germany.
  2. 2 Department of Proteomics and Signal Transduction, Max Planck Institute of Biochemistry, Am Klopferspitz 18, 82152 Planegg, Germany.
  3. 3 Monoclonal Antibody Core Facility, Institute for Diabetes and Obesity, Helmholtz Zentrum München- German Research Center for Environmental Health, Ingolstaedter Landstr. 1, 85764 Neuherberg, Germany.

* Corresponding author: Email: daniel.krappmann@helmholtz-muenchen.de

† These authors contributed equally to this work.

要約:

CARD11は、リンパ球表面のT細胞およびB細胞抗原受容体(TCR/BCR)のライゲーション後の適応免疫応答の門番役として機能する。PKCθ/βに触媒されるCARD11のリン酸化は、CARD11-BCL10-MALT1(CBM)複合体の会合とリンパ球の活性化を促進する。本稿でわれわれは、PKCθ/βに依存したCARD11のリン酸化が、T細胞およびB細胞におけるCARD11の機能を抑制もすることを示した。まず、質量分析に基づくプロテオミクス解析によって、T細胞におけるCARD11の複数の恒常的リン酸化部位と誘導性リン酸化部位を同定した。そして、CARD11のカルボキシル末端にあるSer893のTCRまたはBCR誘導性単一リン酸化によって、転写因子NF-κB、キナーゼJNK、プロテアーゼMALT1の活性化が妨げられることを示した。さらに、CARD11のSer893のリン酸化により、BCR依存性リンパ腫細胞がブルトンチロシンキナーゼ(BTK)阻害薬によって誘導される毒性に対して感作された。PKCθによるCARD11のSer893のリン酸化は、CBM複合体の形成を損なわせることによってCARD11の足場の強度を調節した。このように、PKCθは促進性と抑制性の両方のCARD11リン酸化イベントを同時に触媒しており、それによってリンパ球におけるCARD11シグナル伝達の強度が決められている。

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