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リガンドの識別を可能にする、保存されているケモカイン受容体モチーフの同定

Identification of a conserved chemokine receptor motif that enables ligand discrimination

Research Article

SCIENCE SIGNALING
8 Mar 2022 Vol 15, Issue 724
DOI: 10.1126/scisignal.abg7042

Olav Larsen1,2, Wijnand J. C. van der Velden1, Maša Mavri1,3, Sara Schuermans1,2, Pia C. Rummel1, Stefanie Karlshøj1, Martin Gustavsson1, Paul Proost2, Jon Våbenø4,*, Mette M. Rosenkilde1,*

  1. 1 Laboratory for Molecular Pharmacology, Department of Biomedical Sciences, Faculty of Health and Medical Sciences, University of Copenhagen, 2200 Copenhagen, Denmark.
  2. 2 Laboratory of Molecular Immunology, Department of Microbiology, Immunology and Transplantation, Rega Institute for Medical Research, KU Leuven, 3000 Leuven, Belgium.
  3. 3 Institute of Preclinical Sciences, Veterinary Faculty, University of Ljubljana, Gerbičeva 60, 1000 Ljubljana, Slovenia.
  4. 4 Helgeland Hospital Trust, Prestmarkveien 1, 8800 Sandnessjøen, Norway.

* Corresponding author. Email: jon.vabeno@helgelandssykehuset.no (J.V.); rosenkilde@sund.ku.dk (M.M.R.)

要約:

ケモカインのシグナル伝達系ではリガンド-受容体の低い選択性が広範にみられ、有益な冗長性と特異性のバランスをとっている。とはいえこのような特徴は、薬理学的に系を選択的に調節するためには大きな困難を伴う。本稿でわれわれは、その2番目の細胞外ループ(ECL2)を受容体の膜貫通ヘリックス(TM)4および5の先端に固定し、相互作用するケモカインの共通特性と特異的特性の両方の認識を可能にする、保存されている3つの受容体芳香族残基のクラスターを同定した。このクラスターは数種のケモカイン受容体の活性化に不可欠であった。さらに低選択性受容体のCCR1、CCR2およびCCR5ではß1鎖と30sループという特徴的モチーフの存在により、その2つの主要なCCケモカインサブグループ、すなわちマクロファージ炎症タンパク質(MIP)と単球走化性タンパク質(MCP)のこのクラスターへの依存は異なるものになっていた。加えてこのクラスターによりCCR1とCCR5は、近縁のMIPを、それらケモカインのN末端に基づいて識別することができた。Gタンパク質シグナル伝達およびβ-アレスチン2動員アッセイから、受容体がケモカインリガンドを識別するためにはこの保存されたクラスターが重要であることが確認された。この細胞外部位から、ケモカインと関連した治療の開発が進むと考えられる。

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