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ViperinはIRAK1-TRAF6-TAK1軸を介して自然免疫応答を損なわせることによってMtb感染を促進する
Viperin impairs the innate immune response through the IRAK1-TRAF6-TAK1 axis to promote Mtb infection
SCIENCE SIGNALING
4 Oct 2022 Vol 15, Issue 754
DOI: 10.1126/scisignal.abe1621
Xinying Zhou1,†, Zelin Zhang1,†, Hui Xu1, Bo Zhu1, Lijie Zhang1, Linmiao Lie1, Yingqi Huang1, Xialin Du1, Honglin Liu1, Yanfen Li1, Yulan Huang1, Shengfeng Hu1, Chaoying Zhou1, Qian Wen1, Mailkel P. Pepplenbosch2, Li Ma1,*
- 1 Institute of Molecular Immunology, School of Laboratory Medicine and Biotechnology, Southern Medical University, Guangzhou 510515, China.
- 2 Department of Gastroenterology and Hepatology, Erasmus MC, University Medical Center Rotterdam, Rotterdam, Netherlands.
* Corresponding author. Email: mali_61648322@smu.edu.cn
† These authors contributed equally to this work.
抗ウイルス性Viperinは結核を促進する
インターフェロン誘導性タンパク質Viperinは、小胞体やその近隣にみられ、そこで自然免疫応答の一環として一部のDNAウイルスやRNAウイルスの複製を妨げている。インターフェロンに刺激される遺伝子のなかには、結核(TB)の病原体である結核菌(Mycobacterium tuberculosis:Mtb)の感染に応答して発現するものもある。Zhouらは、TB患者およびMtb感染マウス由来の組織でViperinの存在量が増加していることを明らかにした。Viperinを欠損させると、マウスおよびヒトマクロファージのMtb感染が減少した。Mtb感染マクロファージでは、Viperinが炎症性サイトカインと一酸化窒素の産生を阻害することによって免疫応答を遮断した。まとめると、これらの知見は、ViperinがTB患者を治療するための標的になる可能性を示唆している。
要約
結核菌(Mycobacterium tuberculosis:Mtb)感染症は長年にわたる公衆衛生上の脅威であり、Mtb感染症を根絶するための宿主を標的とする治療薬の開発には、Mtbと宿主の相互作用についてさらなる洞察が必要である。Viperin[virus-inhibitory protein, endoplasmic reticulum-associated, interferon (IFN) inducible(ウイルス阻害性、小胞体随伴性、インターフェロン(IFN)誘導性タンパク質)の略]は、幅広い抗ウイルス活性をもつIFN誘導性タンパク質である。本稿でわれわれは、リンパ節結核(TB)および肺TBの患者において、Viperin量が増加していることを示した。Viperin欠損マウスでは、野生型マウスに比べて、Mtb細菌量が減少し、マクロファージの応答が促進された。Viperinは、インターロイキン1受容体関連キナーゼ1、TNF受容体関連因子6、トランスフォーミング増殖因子β活性化キナーゼ1(TAK1)で構成される複合体の形成を抑制し、TAK1に依存したIκBキナーゼα/βの活性化を阻害することによって、一酸化窒素と炎症性サイトカインの産生を損なわせた。これらの結果は、Viperinが、宿主のマクロファージによる自然免疫応答を阻害することによってMtb感染を促進することを示しており、ViperinがTB患者を治療するための宿主を標的とした補助的治療法の標的候補となる可能性を示唆している。