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USP47はGroucho/TLEを脱ユビキチン化してWnt-β-カテニンシグナル伝達を促進する

USP47 deubiquitylates Groucho/TLE to promote Wnt-β-catenin signaling

Research Article

SCIENCE SIGNALING
7 Feb 2023 Vol 16, Issue 771
DOI: 10.1126/scisignal.abn8372

Sara Kassel1, †, Alison J. Hanson1, †, Hassina Benchabane2, Kenyi Saito-Diaz1, Carly R. Cabel3, Lily Goldsmith1, Muhammad Taha2, Aksheta Kanuganti2, Victoria H. Ng1, George Xu4, Fei Ye5, Julia Picker2, Fillip Port6, Michael Boutros6, Vivian L. Weiss4, David J. Robbins7, Curtis A. Thorne3, Yashi Ahmed2, *, Ethan Lee1, 8, *

  1. 1 Department of Cell and Developmental Biology, Vanderbilt University, Nashville, TN 37232, USA.
  2. 2 Department of Molecular and Systems Biology and the Norris Cotton Cancer Center, Geisel School of Medicine at Dartmouth College, Hanover, NH 03755, USA.
  3. 3 Department of Cellular and Molecular Medicine, University of Arizona Cancer Center, Tucson, AZ 85724, USA.
  4. 4 Department of Pathology, Microbiology, and Immunology, Vanderbilt University Medical Center, Nashville, TN 37232, USA.
  5. 5 Department of Biostatistics, Vanderbilt University Medical Center, Nashville, TN 37232, USA.
  6. 6 German Cancer Research Center (DKFZ), Division Signaling and Functional Genomics and Department of Cell and Molecular Biology, Medical Faculty Mannheim, Heidelberg University, Im Neuenheimer Feld 580, 69120 Heidelberg, Germany.
  7. 7 Department of Oncology, Lombardi Comprehensive Cancer Center, Georgetown University, Washington, DC 20057, USA.
  8. 8 Vanderbilt Ingram Cancer Center, Vanderbilt University School of Medicine, Nashville, TN 37232, USA.

† These authors contributed equally to this work.

* Corresponding author. Email: yashi.ahmed@dartmouth.edu (Y.A.); ethan.lee@vanderbilt.edu (E.L.)

Wnt標的遺伝子における転写補因子のサイクリング

Wntの非存在下では、転写コリプレッサーのTLEが、Wnt標的遺伝子においてTCF/LEFファミリーの転写因子に結合する。Wnt刺激によって転写コアクチベーターのβ-カテニンが安定化され、XIAPを介するTLEのユビキチン化が引き起こされると、TLEのTCF/LEFへの親和性が低下し、β-カテニンがTLEに置き換われるようになる。Kasselらは、細胞内およびin vitroでTLEに対するXIAPの作用に拮抗する脱ユビキチン化酵素として、USP47を同定した。USP47は、ハエおよびカエルの発生中のWntシグナル伝達と、ハエおよびヒト細胞におけるWnt依存性遺伝子発現に必要であった。USP47とXIAPの両方がWntシグナル伝達を促進できることは、Wnt転写応答を維持し、Wntの存在下でのみ転写応答が持続することを確実にするために、プロモーターに結合・解離する転写補因子のサイクリングが重要であることと一致している。-AMV

要約

Wnt-β-カテニンシグナル伝達経路は、胚発生と成体組織の恒常性に不可欠である。E3リガーゼXIAPに促進される過程において、Wntシグナル伝達はTCFを転写抑制因子から活性化因子に変換する。転写コリプレッサーのGroucho(別名TLE)がXIAPを介してモノユビキチン化されると、TCFへの親和性が低下するため、転写コアクチベーターのβ-カテニンが置き換わってTCFに結合できるようになる。われわれは、培養キイロショウジョウバエ(Drosophila melanogaster)細胞におけるゲノムスケールスクリーニングによって、Wntシグナル伝達の正の調節因子として脱ユビキチン化酵素USP47を同定した。USP47は、ショウジョウバエ(Drosophila)およびアフリカツメガエル(Xenopus laevis)の発生中やヒト細胞において、Wntシグナル伝達に必要であることが見出され、進化的保存性が示された。ヒト細胞では、USP47のノックダウンによりWntレポーター活性が阻害され、USP47はβ-カテニン分解複合体の下流で作用した。USP47はTLE3およびXIAPと相互作用したが、それらの量は変化させなかった。しかし、USP47のノックダウンによって、XIAPを介するTLE3のユビキチン化が増強された。USP47はin vitroでXIAPによるTLE3のユビキチン化を用量依存的に阻害したことから、USP47は、TLEに対するXIAPのE3リガーゼ活性に拮抗する作用をもつ脱ユビキチン化酵素であることが示唆された。われわれのデータは、TLEの調節されたユビキチン化と脱ユビキチン化により、β-カテニンがTCFとの結合解離サイクリングを行う能力が亢進することで、Wnt標的遺伝子の発現が、上流シグナルが存在する間のみ持続するようになる機構を提示している。

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