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樹状細胞の転写因子XBP1は気道アレルギーにおけるTH2細胞応答を促進する

The transcription factor XBP1 in dendritic cells promotes the TH2 cell response in airway allergy

Research Article

SCIENCE SIGNALING
27 Jun 2023 Vol 16, Issue 791
[DOI: 10.1126/scisignal.abm9454]

Gui Yang1,†, Xian-Hai Zeng2, 3,†, Xiao-Rui Geng2, 3,†, Jiang-Qi Liu2, 3,†, Li-Hua Mo4, 5, 6, Xiang-Qian Luo6, Hua-Zhen Liu4, 5, Yuan-Yi Zhang4, 5, Li-Teng Yang7, Qin-Miao Huang7, Xiao-Jun Xiao4, 5, Jie Liu4, 5,
Ling-Zhi Xu8, Da-Bo Liu6, Xiao-Yu Liu4, 5, *, Zhi-Qiang Liu2, 3, *, Ping-Chang Yang4, 5, *

  1. 1 Department of Otolaryngology, Head and Neck Surgery, Longgang Central Hospital, Shenzhen, China.
  2. 2 Longgang ENT Hospital, Shenzhen, China.
  3. 3 Shenzhen ENT Institute, Shenzhen, China.
  4. 4 Guangdong Provincial Key Laboratory of Regional Immunity and Diseases, Shenzhen, China.
  5. 5 Institute of Allergy and Immunology, Shenzhen University School of Medicine and State Key Laboratory of Respiratory Disease Allergy Division at Shenzhen University, Shenzhen, China.
  6. 6 Department of Pediatric Otolaryngology, Shenzhen Hospital, Southern Medical University, Shenzhen, China.
  7. 7 Department of General Practice Medicine and Respirology, Third Affiliated Hospital, Shenzhen University School of Medicine, Shenzhen, China.
  8. 8 Department of Immunology, Weifang Medical University, Weifang, China.

* Corresponding author. Email: pcy2356@163.com (P.-C.Y.); liuzhiqiang@126.com (Z.-Q.L.); xiaoyurliu@163.com (X.-Y.L.).

† These authors contributed equally to this work.

Editor's summary

Tヘルパー2(TH2)細胞はアレルギー反応を仲介し、それらの発生は、受容体TIM4を発現する樹状細胞(DC)に依存する。Yangらは、転写因子XBP1が、DCにおいてTIM4をコードする遺伝子の発現を誘導することを見出した。アレルゲン曝露マウスの気道でサイトカインIL-2が産生されると、GEFのSos1とGTPaseのRasが関与する経路を介して、DCでXBP1、次いでTIM4の発現が誘導された。マウスにおいて、DCのこの経路を標的にすると、実験的に誘導したアレルギー性気道応答の重症度が軽減されたことから、これらの因子が、TH2細胞依存性の炎症性またはアレルギー性疾患の治療における治療標的となる可能性が示唆された。—John F. Foley

要約

ホスファチジルセリンの細胞表面受容体であるT細胞免疫グロブリンドメイン分子4(TIM4)を発現する樹状細胞(DC)は、Tヘルパー2(TH2)細胞応答とアレルギー反応を誘導する。われわれは、転写因子X-box結合タンパク質1(XBP1)が、TIM4+ DCの産生におけるその役割を通じてTH2細胞応答の誘導に果たす役割を明らかにした。XBP1は、サイトカインのインターロイキン2(IL-2)に応答した気道DCにおけるTIM4 mRNAおよびタンパク質の発現に必要とされ、この経路は、アレルゲンのPM2.5やDerf1に応答したDC上のTIM4発現に必要とされることがわかった。DCのIL-2-XBP1-TIM4軸は、in vivoでDerf1/PM2.5によって誘導される異常なTH2細胞応答に寄与した。グアニンヌクレオチド交換因子であるSon of sevenless-1(SOS1)と、GTPaseであるRASとの間の相互作用によって、DCにおけるXBP1とTIM4の産生が促進された。DCのXBP1-TIM4経路を標的にすると、実験的気道アレルギーが予防または軽減された。総合するとこれらのデータから、XBP1は、TIM4+ DCの発生を誘導することによってTH2細胞応答に必要とされ、この過程はIL-2-XBP1-SOS1軸に依存することが示唆される。このシグナル伝達経路は、TH2細胞依存性の炎症またはアレルギー性疾患の治療における治療標的候補となる。

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