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IKKはRIPK1依存性アポトーシスを抑制しNF-κBを活性化することによりナイーブT細胞の生存を促進する
IKK promotes naïve T cell survival by repressing RIPK1-dependent apoptosis and activating NF-κB
SCIENCE SIGNALING
27 Jun 2023 Vol 16, Issue 791
[DOI: 10.1126/scisignal.abo4094]
Fiona Carty†, Scott Layzell†, Alessandro Barbarulo, Farjana Islam, Louise V. Webb‡, Benedict Seddon*
Institute of Immunity and Transplantation, Division of Infection and Immunity, University College London, Royal Free Hospital, London NW3 2PP, UK.
* Corresponding author. Email: benedict.seddon@ucl.ac.uk
† These authors contributed equally to this work.
‡ Present address: Autolus Therapeutics, London, UK.
Editor's summary
マウス胸腺細胞の生存は、細胞死促進キナーゼRIPK1をリン酸化して不活性化するκB阻害因子(IKK)複合体による細胞死の抑制に依存する。Cartyらは、系譜特異的なコンディショナルノックアウトマウスを用いて、胸腺を離れた後の成熟ナイーブT細胞の生存におけるIKKの役割を調べた。IKKは、RIPK1依存性細胞死を阻害するだけでなく、サイトカイン受容体IL-7Rに依存するNF-κB依存性の生存促進シグナル伝達も活性化した。合わせると、これらのデータは、細胞分化時に細胞死とNF-κBシグナル伝達経路がどのように調節されるかを示している。—John F. Foley
要約
κB阻害因子キナーゼ(IKK)複合体は、転写因子の核内因子κB(NF-κB)ファミリーの活性化を調節する。さらに、IKKは、受容体相互作用セリン/スレオニンプロテインキナーゼ1(RIPK1)を直接リン酸化することにより、RIPK1に依存する外因性細胞死経路を抑制する。ここでわれわれは、マウスの末梢ナイーブT細胞が生存のためにIKK1とIKK2の継続的な発現を必要とするが、Casp8(アポトーシス誘導カスパーゼ8をコードする)を欠失するか、RIPK1のキナーゼ活性を阻害することにより外因性細胞死経路が遮断された場合、これらの細胞の欠失は、部分的にしか妨げられないことを示した。成熟CD4+ T細胞におけるRela(NF-κB p65サブユニットをコードする)の誘導的欠失も、ナイーブCD4+ T細胞の喪失と、NF-κB標的Il7rによってコードされるインターロイキン-7受容体(IL-7R)の量の減少をもたらし、成熟T細胞の長期生存のためNF-κBにさらに依存することを明らかにした。合わせると、これらのデータは、ナイーブCD4+ T細胞のIKK依存性生存は、外因性細胞死経路の抑制とNF-κB依存性生存プログラムの活性化の両方に依存することを示している。