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cPLA2αの活性をオキソエイコサノイド産生に偏らせると好中球N2分極化、創傷治癒、敗血症に対する応答が促進される

Skewing cPLA2α activity toward oxoeicosanoid production promotes neutrophil N2 polarization, wound healing, and the response to sepsis

Research Article

SCIENCE SIGNALING
11 Jul 2023 Vol 16, Issue 793
[DOI: 10.1126/scisignal.add6527]

Kenneth D. Maus1, Daniel J. Stephenson2, H. Patrick Macknight2, Ngoc T. Vu3, L. Alexis Hoeferlin4, Minjung Kim1, Robert F. Diegelmann4, Xiujie Xie2, Charles E. Chalfant2, 5, 6, 7, *

  1. 1 Department of Cell Biology, Microbiology, and Molecular Biology, University of South Florida, Tampa, FL 33620, USA.
  2. 2 Department of Medicine, Division of Hematology and Oncology, University of Virginia, Charlottesville, VA 22903, USA.
  3. 3 Department of Applied Biochemistry, School of Biotechnology, International University-VNU HCM, Ho Chi Minh City, Vietnam.
  4. 4 Department of Biochemistry and Molecular Biology, Virginia Commonwealth University-School of Medicine, Richmond VA 23298, USA.
  5. 5 Department of Cell Biology, University of Virginia, Charlottesville, VA 22903, USA.
  6. 6 Program in Cancer Biology, University of Virginia Cancer Center, Charlottesville, VA 22903, USA.
  7. 7 Research Service, Richmond Veterans Administration Medical Center, Richmond VA, 23298, USA.

* Corresponding author. Email: cechalfant@virginia.edu, charles.chalfant@va.gov

Editor's summary

好中球は、エイコサノイドと呼ばれる脂質などのさまざまな因子によって、損傷や感染の部位に動員され、炎症促進性のN1表現型または抗炎症性のN2表現型をとることができる。Mausらは、オキソエイコサノイドと呼ばれるエイコサノイドのサブタイプが、マウスにおいて、N2好中球動員を増加させることにより、創傷治癒を促進し、敗血症に対する感受性を低下させることを見出した。オキソエイコサノイドは、オキソエイコサノイド受容体OXER1のオートクリン活性化を介してN2分極化を促進した。これらの結果は、臨床転帰が改善するように好中球分極化を操作するための戦略の候補を示唆している。—Annalisa M. VanHook

要約

敗血症と創傷治癒はいずれも別個の炎症段階と収束段階を経て進行し、無制御な炎症はそれらの転帰不良につながる。エイコサノイドは、好中球やその他の自然免疫細胞を動員する生理活性脂質群である。セラミド1-リン酸(C1P)とエイコサノイド生合成酵素である細胞質ホスホリパーゼA2(cPLA2)の相互作用により、オキソエイコサノイドと呼ばれる、エイコサノイドのサブタイプの産生が低下する。われわれは、エイコサノイド生合成のバランスの変化が、好中球の分極化と機能に及ぼす影響を調べた。C1P結合部位を欠損したcPLA2変異体を発現するノックインマウス(cPLA2αKI/KIマウス)では、創傷治癒および敗血症の炎症段階で、それぞれ創傷および腹膜への好中球浸潤の増強と持続が認められた。マウスでは、創傷治癒の改善と敗血症に対する感受性の低下が認められ、これは、収束促進挙動を示す抗炎症性N2型好中球の増加と、炎症促進性N1型好中球の減少に関連していた。cPLA2αKI/KI好中球のN2分極化は、オキソエイコサノイド生合成の増加とオキソエイコサノイド受容体OXER1を介するオートクリンシグナル伝達の増加によって生じ、ペントースリン酸経路(PPP)のOXER1依存性の阻害に部分的に依存した。したがって、C1PとcPLA2αの結合により好中球のN2分極化が抑制され、それによって創傷治癒と敗血症に対する応答が障害される。

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