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Ca2+チャネルORAI1は口腔がんの増殖と侵害受容性疼痛の調節因子である

The Ca2+ channel ORAI1 is a regulator of oral cancer growth and nociceptive pain

Research Article

SCIENCE SIGNALING
5 Sep 2023 Vol 16, Issue 801
[DOI: 10.1126/scisignal.adf9535]

Ga-Yeon Son1, Nguyen Huu Tu2, Maria Daniela Santi2, Santiago Loya Lopez1, 3, Guilherme H. Souza Bomfim1, Manikandan Vinu4, Fang Zhou5, Ariya Chaloemtoem4, Rama Alhariri4, Youssef Idaghdour4, Rajesh Khanna1, 3, Yi Ye2, 3, Rodrigo S. Lacruz1, *

  1. 1 Department of Molecular Pathobiology, New York University College of Dentistry, New York, NY 10010, USA.
  2. 2 NYU Dentistry Translational Research Center, Department of Oral and Maxillofacial Surgery, New York University College of Dentistry, New York, NY 10010, USA.
  3. 3 New York University Pain Research Center, New York University, New York, NY 10010.
  4. 4 Program in Biology, Division of Science and Mathematics, New York University Abu Dhabi, 129188, Saadiyat Island, Abu Dhabi, United Arab Emirates.
  5. 5 Department of Pathology, New York University Langone Health, New York, NY 10010, USA.

* Corresponding author. Email: rsl10@nyu.edu

Editor's summary

口腔がんは、疾患が進行するにつれて悪化する慢性的な疼痛を伴うことも一因となり、生活の質(QOL)を大きく損なわせる。Sonらは、口腔がん細胞におけるCa2+チャネルORAI1の役割を調べた。ORAI1は、異形成口腔ケラチノサイトの遊走と口腔がん細胞の増殖を刺激した。口腔がん細胞の同種移植片腫瘍によって誘導される疼痛感受性の増強は、ORAI1の欠損によって解消された。口腔腫瘍の疼痛は三叉神経節によって中継されるが、三叉神経節ニューロンの興奮性は、口腔がん細胞の培養上清を添加するとORAI1に依存する形で高まった。これらの結果は、ORAI1の活性が口腔腫瘍の増殖と疼痛を軽減させるための標的になりうることを示唆している。—Wei Wong

要約

口腔がんは、がんの進行に伴う疼痛の原因となる。本稿でわれわれは、Ca2+チャネルORAI1の機能が口腔がん疼痛の重要な調節因子であることを報告する。ORAI1は、口腔がん患者由来の腫瘍検体で高度に発現していた。また、ORAI1の活性化はヒト口腔がん細胞の持続性のCa2+流を引き起こしていた。RNA-seq解析では、メタロプロテアーゼ(MMP)などの口腔がんのマーカーや疼痛の調節因子をコードする多くの遺伝子がORAI1によって制御されることが示された。ORAI1欠損型の口腔がん細胞は、マウスの足に播種した際に、対照細胞と比べて誘発される異痛が軽減した小さな腫瘍が形成された。三叉神経節ニューロンをMMP1に曝露させると、活動電位の上昇が誘発された。これらのデータは、口腔がんの進行と疼痛においてORAI1がMMP1量を調節することによって担っている可能性のある重要な役割を明らかにするものである。

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