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RNase Lの凝縮が哺乳類細胞におけるウイルス感染に反応した急速活性化を促進する
Condensation of RNase L promotes its rapid activation in response to viral infection in mammalian cells
SCIENCE SIGNALING
21 May 2024 Vol 17, Issue 837
[DOI: 10.1126/scisignal.adi9844]
Renee Cusic1, 2 and James M. Burke1, 2, *
- 1 Department of Molecular Medicine, Herbert Wertheim University of Florida Scripps Institute for Biomedical Innovation and Technology, Jupiter, FL 33458, USA.
- 2 Department of Immunology and Microbiology, Herbert Wertheim University of Florida Scripps Institute for Biomedical Innovation and Technology, Jupiter, FL 33458, USA.
* Corresponding author. Email: james.burke@ufl.edu
Editor's summary
ウイルス二本鎖RNAがOAS3によって検出されると、RNase Lの活性化が速やかに誘導され、その結果すべての細胞RNAが分解される。CusicとBurkeは、哺乳類細胞におけるRNase L活性化の調節を調べた。二本鎖RNAによって、またはデングウイルス、ジカウイルス、ウエストナイルウイルスなどのRNAウイルスの感染によって、OAS3と活性型RNase Lの細胞質顆粒への凝縮が誘導された。これらの顆粒は、OAS3-二本鎖RNAのコアがRNase Lのシェルに取り囲まれて構成されており、RNase Lは細胞質プールと動的に交換されていた。RNase LとOAS3の凝縮は、RNase Lを急速に活性化するだけでなく、偽の活性化と、mRNA分解によって生じる細胞過程の停止を防止するための閾値を決めている可能性もある。—Wei Wong
要約
オリゴアデニル酸合成酵素3(OAS3)とリボヌクレアーゼL(RNase L)は、哺乳類においてウイルス感染に対抗する経路の構成成分である。ウイルスの二本鎖RNA(dsRNA)を検出すると、OAS3は2′-5′-オリゴ(A)を合成し、2′-5′-オリゴ(A)はRNase L単量体のホモ二量体化およびオリゴマー化を促進することによって、RNase LのRNaseドメインを活性化する。活性化されたRNase Lは速やかにすべての細胞mRNAを分解し、いくつかの細胞過程を停止させる。われわれは、ウイルス感染に反応したRNase Lの急速活性化の基礎にある分子機構の解明を試みた。超解像顕微鏡および生細胞イメージングを用いて、OAS3とRNase Lが、dsRNAまたはデングウイルス、ジカウイルスもしくはウエストナイルウイルス感染に応答して、dsRNA-induced foci(dRIF)として知られる高次細胞質複合体に濃縮されることを示した。dRIFにおけるOAS3とRNase Lの濃縮は、RNase Lを介するRNA分解の活性化と一致した。二量体化/オリゴマー化したRNase Lが、コアOAS3-dRIF構造を取り囲む液体状のシェルに濃縮して存在し、細胞質と動的に往来することがわかった。これらのデータは、dsRNA、OAS3およびRNase LのdRIFへの凝縮が、哺乳類細胞におけるdsRNA検出時のRNase Lの急速活性化を促進する分子スイッチであることを証明している。