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慢性間欠性低酸素マウスにおいて末梢マクロファージは侵害受容器のプライミングに寄与する

Peripheral macrophages contribute to nociceptor priming in mice with chronic intermittent hypoxia

Research Article

SCIENCE SIGNALING
30 Jul 2024 Vol 17, Issue 847
[DOI: 10.1126/scisignal.adn8936]

Samuel B. Chivers1, Mary Ann Andrade2, Robert J. Hammack2, John Shannonhouse1, Ruben Gomez1, Yan Zhang1, Brian Nguyen1, Pankil Shah3, Yu Shin Kim1, Glenn M. Toney2, Nathaniel A. Jeske1, 2, 4, *

  1. 1 Department of Oral and Maxillofacial Surgery, University of Texas Health San Antonio, San Antonio, TX, USA.
  2. 2 Department of Physiology, University of Texas Health San Antonio, San Antonio, TX, USA.
  3. 3 Department of Medicine, University of Texas Health San Antonio, San Antonio, TX, USA.
  4. 4 Department of Pharmacology, University of Texas Health San Antonio, San Antonio, TX, USA.
  5. * Corresponding author. Email: jeske@uthscsa.edu

Editor's summary

慢性疼痛は、閉塞性睡眠時無呼吸と、睡眠時無呼吸の結果である睡眠遮断の両方と関連している。Chiversらは、睡眠中に低酸素の慢性エピソードに曝露されたマウスは、熱と接触に対してより敏感になるが、単に睡眠から何度も覚醒したマウスではそのような変化は生じないことを見出した。低酸素により循環中の末梢マクロファージが活性化され、感覚神経組織への動員が促進され、マクロファージが放出するサイトカインによって、それらの組織の感受性が高まった。これらの結果は、睡眠時無呼吸の患者における慢性疼痛を軽減する可能性のある標的を明らかにしている。—Leslie K. Ferrarelli

要約

閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)はよくみられる睡眠障害であり、慢性筋骨格痛の発症率の上昇に関連する。われわれは、OSAの反復性の低酸素血症を模倣する慢性間欠性低酸素(CIH)マウスモデルにおいて、この関連の機構を検討した。14日間のCIHの後、雌雄マウスともに持続性疼痛を示唆する行動を示し、脊髄後角および後根神経節の感覚ニューロンにおける生化学マーカーが、痛覚過敏プライミングに一致した。CIHによって、末梢感覚組織(坐骨神経、後根神経節)へのマクロファージの動員が増加し、循環中の炎症性サイトカインが増加し、侵害受容器感作が誘導されたが、睡眠の断片化のみではそのような変化は認められなかった。末梢マクロファージの除去により、CIH誘導性の痛覚過敏プライミングは阻害された。以上の結果から、低酸素の是正またはマクロファージシグナル伝達の標的化によって、OSA患者の持続性疼痛が抑制される可能性が示唆される。

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