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AT1R C末端尾部のリン酸化パターンは異なる下流シグナル伝達経路を指定する

Phosphorylation patterns in the AT1R C-terminal tail specify distinct downstream signaling pathways

Research Article

SCIENCE SIGNALING
13 Aug 2024 Vol 17, Issue 849
[DOI: 10.1126/scisignal.adk5736]

Clarice Gareri1, Conrad T. Pfeiffer1, Xue Jiang1, Joao A. Paulo2, Steven P. Gygi2, Uyen Pham3, Anand Chundi4, Laura M. Wingler5, Dean P. Staus1, Tomasz Maciej Stepniewski6, 7, 8, Jana Selent6, Emilio Y. Lucero1, Alyssa Grogan1, Sudarshan Rajagopal1, 3, Howard A. Rockman1, 9, *

  1. 1 Department of Medicine, Duke University Medical Center, Durham, NC 27710, USA.
  2. 2 Department of Cell Biology, Harvard Medical School, Boston, MA 02115, USA.
  3. 3 Department of Biochemistry, Duke University School of Medicine, Durham, NC 27710, USA.
  4. 4 Department of Biomedical Engineering, Duke University, Durham, NC 27710, USA.
  5. 5 Department of Pharmacology and Cancer Biology, Duke University Medical Center, Durham, NC 27710, USA.
  6. 6 Research Programme on Biomedical Informatics (GRIB), Hospital del Mar Medical Research Institute (IMIM)-Pompeu Fabra University (UPF), 08003 Barcelona, Spain.
  7. 7 Faculty of Chemistry, Biological and Chemical Research Center, University of Warsaw, Warsaw, Poland.
  8. 8 InterAx Biotech AG, PARK InnovAARE, 5234 Villigen, Switzerland.
  9. 9 Department of Cell Biology, Duke University Medical Center, Durham, NC 27710, USA.
  10. * Corresponding author. Email: h.rockman@duke.edu

Editor's summary

Gタンパク質共役受容体(GPCR)の細胞内尾部の特定のリン酸化パターンは、Gタンパク質が刺激されるか、またはβ-アレスチンが動員されるかを決定するバーコードとして機能すると考えられている。Gareriらは、アンジオテンシンIIタイプ1受容体(AT1R)によるシグナル伝達におけるリン酸化バーコードの役割を調べた。AT1Rは、内因性作動薬AngIIに応答してGタンパク質の活性化とβ-アレスチンの動員の両方を引き起こすが、合成バイアス作動薬に応答した場合はβ-アレスチンの動員のみを刺激する。著者らは、β-アレスチンの特定の立体構造を安定化し、β-アレスチンの機能に必要なセリンとスレオニンのリン酸化パターンを同定した。これらの知見は、AT1R活性化の結果を決定する上でのリン酸化バーコードの重要性を実証する。—Annalisa M. VanHook

要約

リガンドの違いにより、アンジオテンシンIIタイプ1受容体(AT1R)の特定の立体構造が安定化され、ヘテロ三量体Gタンパク質またはβ-アレスチンによって媒介される異なるシグナル伝達カスケードが指定される。これらの異なる活性化した立体構造は、受容体C末端尾部の差次的なリン酸化パターン(「バーコード」仮説)により、別個の細胞内トランスデューサーと会合すると考えられている。ここでは、Gタンパク質の活性化とβ-アレスチンの動員の両方を刺激する内因性作動薬AngIIと、β-アレスチンの動員のみを刺激する合成バイアス作動薬に対するAT1Rバーコードを同定した。内因性作動薬とβ-アレスチンバイアス作動薬が誘導したC末端尾部のリン酸化部位は、組合せが異なるものであった。β-アレスチンの完全な機能には、尾部の近位部と中間部にある8つのセリンおよびスレオニン残基のリン酸化が必要であったが、尾部の遠位部にあるセリンおよびスレオニン残基のリン酸化はβ-アレスチンの機能にほとんど影響を及ぼさなかった。同様に、分子動力学シミュレーションでは、リン酸化残基の近位部と中間部のクラスターが、β-アレスチンと受容体の安定した相互作用に重要であることが示された。これらの知見は、異なる受容体立体構造を安定化するリガンドが、異なる受容体-トランスデューサーの会合、受容体の輸送、およびシグナル伝達を引き起こすバーコードとして、C末端尾部に異なるリン酸化クラスターを誘導することを実証する。

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