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大腸菌(Escherichia coli)のストレス誘導性低分子タンパク質の解析により、YoaIが別個のシグナル伝達系間のクロストークを調節することが明らかに

Analysis of stress-induced small proteins in Escherichia coli reveals that YoaI mediates cross-talk between distinct signaling systems

Research Article

SCIENCE SIGNALING
26 Aug 2025 Vol 18, Issue 901
DOI: 10.1126/scisignal.adu7253

Sangeevan Vellappan1, 2, 3, Junhong Sun1, John Favate2, 3, Pranavi Jagadeesan1, Debbie Cerda1, 2, Premal Shah2, 3, Srujana S. Yadavalli1, 2, *

  1. 1 Waksman Institute of Microbiology, Rutgers University, Piscataway, NJ, USA.
  2. 2 Department of Genetics, School of Arts and Sciences, Rutgers University, Piscataway, NJ, USA.
  3. 3 Human Genetics Institute of New Jersey, Rutgers University, Piscataway, NJ, USA.
  4. * Corresponding author. Email: sam.yadavalli@rutgers.edu

Editor's summary

細菌の低分子タンパク質は、多様な細胞活性や環境刺激への応答を制御する。Vellappanらは、大腸菌(Escherichia coli)において、Mg2+の欠乏によって誘導される低分子タンパク質を同定し、そのタンパク質の誘導機序、細胞内局在性、細胞の成長への影響を調べた。そのようなタンパク質のうちの1つであるYoaIは、それぞれリン酸欠乏と浸透圧ストレスに対する細胞応答を調節するPhoR-PhoBとEnvZ-OmpRの2成分シグナル伝達系間のクロストークを調節する。これらの知見は、細菌の適応性シグナル伝達を制御するストレス誘導性低分子タンパク質の既知のレパートリーを拡大するものである。—Annalisa M. VanHook

要約

細菌の低分子タンパク質(50アミノ酸以下)は、細菌のストレス適応を可能にするシグナル伝達ネットワークの活性を調節する制御因子クラスとして新たに注目されている。大腸菌(Escherichia coli)ゲノムには、少なくとも150の低分子タンパク質がコードされているが、その大部分は機能的に特徴づけられていない。われわれは、リボソームプロファイリング法、RNAシークエンス解析、転写レポーターアッセイを用いて、マグネシウム(Mg2+)欠乏中に大腸菌で誘導される17の低分子タンパク質を同定し、特徴づけた。同定されたタンパク質のうちのいくつかは、Mg2+ホメオスタシスにとってきわめて重要であるPhoQ-PhoP 2成分シグナル伝達系によって転写的に活性化された。同定された低分子タンパク質のなかには、欠損または過剰発現させると低Mg2+条件下で成長異常や細胞サイズの変化を引き起こすものもあり、ストレス適応において生理的役割を担うことが示唆された。リン酸応答性のPhoR-PhoBシグナル伝達経路によって転写的に誘導される低分子膜貫通型タンパク質であるYoaIは、Mg2+制限条件下ではyoaI転写やPhoQ-PhoPシグナル伝達とは独立して存在量が増加した。また、YoaIは浸透圧ストレスへの応答を調節する第3のシグナル伝達系EnvZ-OmpRを活性化した。まとめると、この研究は、低分子タンパク質が異なるシグナル伝達系間のクロストークを促進することによって細菌のストレス適応にどのように関与するかを理解するための最初の枠組みを確立するものである。今回の結果は、これらのタンパク質がストレス応答を調節するうえで、特定のストレス要因に応じて厳密に区分化された経路ではなく、相互に接続する細胞ストレスネットワークの性質を反映して、比較的幅広い役割を担っていることを示唆している。

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