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細胞内のインポーチンβ1が欠乏するとシナプス前の局所翻訳と空間記憶が損なわれる

Subcellular depletion of importin β1 impairs presynaptic local translation and spatial memory

Research Article

SCIENCE SIGNALING
20 Jan 2026 Vol 19, Issue 921
DOI: 10.1126/scisignal.ady2026

Philip A. Freund1, †, ‡, *, Nicolas Panayotis1, 2, †, PingAn Yuanxiang3, Sebastian Samer3, Leilah Otikovs4, Riki Kawaguchi5, Juan Oses-Prieto6, Talieh Zomorrodinia6, Ida Rishal1, Michaela Schweizer7, Michael Tsoory8, Katarzyna M. Grochowska3, 7, Anna Karpova3, Alma L. Burlingame6, Michael R. Kreutz3, 7, Mike Fainzilber1, *

  1. 1 Department of Biomolecular Sciences and Department of Molecular Neuroscience, Weizmann Institute of Science, Rehovot 7610001, Israel.
  2. 2 Université Paris Cité, CNRS, Saints-Pères Paris Institute for the Neurosciences, F-75006 Paris, France.
  3. 3 Leibniz Institute for Neurobiology, Magdeburg 39118, Germany.
  4. 4 Department of Chemical Research Support, Weizmann Institute of Science, Rehovot 7610001, Israel.
  5. 5 David Geffen School of Medicine, University of California, Los Angeles, Los Angeles, CA 90095, USA.
  6. 6 Department of Pharmaceutical Chemistry, University of California, San Francisco, San Francisco, CA 94158, USA.
  7. 7 Center for Molecular Neurobiology Hamburg, University Medical Center Hamburg-E ppendorf, Hamburg 20251, Germany.
  8. 8 Department of Veterinary Resources, Weizmann Institute of Science, Rehovot 7610001, Israel.
  9. † These authors contributed equally to this work.
  10. ‡ Present address: Molecular Neuroscience Unit, Okinawa Institute of Science and Technology Graduate University, 1919-1 Tancha, Onna-son, Kunigami-gun, Okinawa, Japan.
  11. * Corresponding author. Email: philip.freund@oist.jp (P.A.F.); mike.fainzilber@weizmann.ac.il (M.F.)

Editor's summary

ニューロンでは、軸索内のインポーチンβ1の合成と活性が神経修復を媒介する逆行性損傷シグナル伝達にとってきわめて重要である。Freundらは、インポーチンβ1の軸索への局在が空間記憶にも必要であることを明らかにした。インポーチンβ1をコードするmRNAの3ʹUTR配列を除去すると、このmRNAとタンパク質産物が軸索から離れた場所に誤配置された。この変異型インポーチンβ1 mRNAを発現するマウスでは、海馬ニューロンにおけるシナプス前小胞輸送と空間記憶に欠損がみられた。これらの知見は、認知の基礎をなすシナプス前可塑性において、このインポーチンが担う空間的にきわめて重要な役割を同定するものである。—Leslie K. Ferrarelli

要約

インポーチンβ1をコードするmRNAの軸索への局在と局所翻訳は、逆行性損傷シグナル伝達と軸索の成長に重要である。本研究でわれわれは、インポーチンβ1 mRNAの3ʹ非翻訳領域(3ʹUTR)の欠損によるインポーチンβ1の軸索内の欠乏がマウスにおいて特異的な空間記憶の欠損を引き起こすことを明らかにした。海馬回路の電気生理学的解析では、3ʹUTR欠損(Δ3ʹUTR)インポーチンβ1転写物を発現するマウスでシナプス前苔状線維における長期増強(LTP)が損なわれていることが明らかになった。さらに、質量分析では、シナプスのプロテオームとリン酸化プロテオームの変化が明らかになり、リボソーム結合RNAの配列決定では、Δ3ʹUTRインポーチンβ1を発現するマウス由来の歯状回ニューロンにおいてシナプス前mRNAの局所翻訳の抑制が示された。このような調節不全は、苔状線維シナプスにおいて、すぐにでも放出可能なシナプス小胞の蓄えの減少に反映された。このように、インポーチンβ1をコードするmRNAの軸索への局在は、シナプス前を形成するために必要であり、この機構が乱れると記憶の欠損が引き起こされる。

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