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APC/CアダプターCdh1は腎細胞がんにおいてSTINGを安定化させて自然免疫の活性化を増強する
The APC/C adaptor Cdh1 stabilizes STING to potentiate innate immune activation in renal cell carcinoma

SCIENCE SIGNALING
23 Jun 2026 Vol 19, Issue 943
DOI: 10.1126/scisignal.aef1474
Zhichuan Zhu1, 2, Quentin Hahn2, Lila E. Turbiville3, Pengda Liu1, 2, *
- 1 Lineberger Comprehensive Cancer Center, University of North Carolina at Chapel Hill, Chapel Hill, NC 27599, USA.
- 2 Department of Biochemistry and Biophysics, University of North Carolina at Chapel Hill, Chapel Hill, NC 27599, USA.
- 3 Department of Environmental and Civil Engineering, Mercer University, Macon, GA 31207, USA.
- * Corresponding author. Email: pengda_liu@med.unc.edu
Editor’s summary
タンパク質Cdh1(Cdc20ホモログ1、別名Fizzy関連タンパク質、FZR1によってコードされる)は、有糸分裂の完全性の維持に関与することから、腫瘍抑制能を有する。Zhuらは、腎がんにおいて、Cdh1の豊富な存在量と抗腫瘍免疫との間にある治療に利用可能な関連性を同定した。淡明細胞型腎細胞がん(ccRCC)において、Cdh1をコードするmRNAの発現量の増加は予後不良と相関したが、同時に、自然免疫センサーであるSTINGの高い存在量とも相関した。著者らは、Cdh1がSTINGに結合してユビキチンを介した分解からSTINGを保護し、最終的に、STING活性化の際にI型インターフェロン応答が増強されるように細胞をプライミング(予備刺激)することを明らかにした。これらの知見は、Cdh1の豊富な存在量が、STINGシグナル伝達を刺激する免疫療法に対して感受性を示す腫瘍の指標となる可能性があることを示唆している。—Leslie K. Ferrarelli
要約
E3ユビキチンリガーゼであるAPC/Cは、そのコアクチベーター(共活性化因子)であるCdh1と共に、ゲノムの安定性や細胞周期のG1/S期移行を制御するがん抑制因子であると一般に考えられている。Cdh1は、免疫細胞のチェックポイントリガンドであるPD-L1の安定性を高めることによって適応免疫(獲得免疫)を調節する。本研究でわれわれは、自然免疫制御におけるCdh1の役割を調べ、淡明細胞型腎細胞がん(ccRCC)において、細胞質二本鎖DNA(dsDNA)センサーであるSTINGの安定化を介した、分解とは独立しているCdh1の非標準機能を同定した。患者由来のccRCCサンプルでは、Cdh1とSTINGのタンパク質量が同時に増加しており、ccRCC細胞株でCdh1を枯渇させると、STINGタンパク質の量が減少し、半減期が短縮された。機構的には、Cdh1がSTINGのデストラクションボックスと呼ばれるデグロン(分解調節領域)モチーフに結合することで、E3ユビキチンリガーゼSPOPの結合を立体的に阻害し、STINGが分解されないように保護していた。アゴニストやdsDNAでSTINGを刺激すると、Cdh1がゴルジ体でSTINGと結合し、STINGの存在量およびシグナル伝達活性を増大させた。ccRCC細胞においてCdh1をリン酸化するキナーゼを薬理学的に阻害すると、STING量が増加し、STINGを介したI型インターフェロンシグナル伝達が亢進された。これは、APC/C-Cdh1-STING複合体の形成が促進されたことによるものと推測される。これらの知見は、ccRCCにおいて抗腫瘍自然免疫を増強するために治療的に利用できる可能性のあるCdh1-STING軸を明らかにするものである。
2026年6月23日号






