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アポリポタンパク質Eが虚血性脳のATP結合カセット輸送体を制御する

Apolipoprotein E Controls ATP-Binding Cassette Transporters in the Ischemic Brain

Research Article

Sci. Signal., 5 October 2010
Vol. 3, Issue 142, p. ra72
[DOI: 10.1126/scisignal.2001213]

Ayman ElAli and Dirk M. Hermann*

Department of Neurology, University Hospital Essen, University of Duisburg-Essen, Hufelandstrasse 55, D-45122 Essen, Germany.

* To whom correspondence should be addressed. E-mail: dirk.hermann@uk-essen.de

要約:アデノシン三リン酸(ATP)結合カセット(ABC)輸送体であるABCB1とABCC1は、薬理学的な 化合物の脳への到達を妨げる大脳毛細管が虚血状態のとき、その管腔膜および反管腔側膜において、存在量の同調的な変動を示す。われわれは、アポリポタンパ ク質E(ApoE)が虚血状態の毛細血管には存在するが反対側の対照には存在しないことを見出した。ApoEは、脳毛細管で構成的に発現しているApoE 受容体2(ApoER2)を通してシグナルを伝達し、c-Junアミノ末端キナーゼ1および2とc-Junの活性を低下させた。ApoEは、虚血後の ABCB1とABCC1の量を調節し、それによって虚血脳内の薬物蓄積を制御した。このデータに基づくと、ApoEシグナル伝達を阻害することによって薬 物の脳への送達を改善できるかもしれない。

A. ElAli, D. M. Hermann, Apolipoprotein E Controls ATP-Binding Cassette Transporters in the Ischemic Brain. Sci. Signal. 3, ra72 (2010).

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