• ホーム
  • 転写を制御する光活性型LOVタンパク質の二量体の構造

転写を制御する光活性型LOVタンパク質の二量体の構造

Structure of a Light-Activated LOV Protein Dimer That Regulates Transcription

Research Article

Sci. Signal., 2 August 2011
Vol. 4, Issue 184, p. ra50
[DOI: 10.1126/scisignal.2001945]

Anand T. Vaidya1, Chen-Hui Chen2, Jay C. Dunlap2, Jennifer J. Loros3, and Brian R. Crane1*

1 Department of Chemistry and Chemical Biology, Cornell University, Ithaca, NY 14853, USA.
2 Department of Genetics, Dartmouth Medical School, Hanover, NH 03755, USA.
3 Department of Biochemistry, Dartmouth Medical School, Hanover, NH 03755, USA.

* To whom correspondence should be addressed. E-mail: bc69@cornell.edu

要約:光、酸素、電圧(light, oxygen or voltage; LOV)タンパク質ドメインは、細菌、古細菌、原生生物、植物、真菌の多くのシグナルタンパク質に存在する。糸状菌であるアカパンカビ(Neurospora crassa)のLOVタンパク質VIVID(VVD)は、一定あるいは増加する光量に対してこの生物を適応させ、既日リズムの適切な同調を促す。本稿でわれわれは、十分に光順応したVVD二量体の結晶構造を決定し、そして光駆動性のコンホメーション変化がこのタンパク質のオリゴマー状態を変化させる機構を明らかにする。システイン化フラビン付加体の光誘導性の形成は、このタンパク質のコアからアミノ(N)末端を遊離させる新たな水素結合ネットワークを生じさせ、二量体のもう一方のサブユニットのN末端が結合するための受容ポケットを再構築した。タンパク質の単量体状態と二量体状態の切替えにとって重要なアミノ酸残基の置換は、アカパンカビの光順応に重大な影響を与えた。VVDの二量体化の機構は、光受容体の大きなファミリーのメンバーがどのようにして光応答をタンパク質間相互作用の変化へと変換するのかを説明する分子レベルでの詳細を明らかにする。

A. T. Vaidya, C.-H. Chen, J. C. Dunlap, J. J. Loros, B. R. Crane, Structure of a Light-Activated LOV Protein Dimer That Regulates Transcription. Sci. Signal. 4, ra50 (2011).

英文原文をご覧になりたい方はScience Signaling オリジナルサイトをご覧下さい

英語原文を見る

2011年8月2日号

Editors' Choice

免疫学
マグネシウムは必要か?

Research Article

転写を制御する光活性型LOVタンパク質の二量体の構造

Perspectives

K2Pカリウムチャネル:神秘的で逆K2Pカリウムチャネル:神秘的で逆説的に面白い説的に面白い

最新のResearch Article記事

2025年07月29日号

USP5はFcεRIγを脱ユビキチン化して安定化させ、IgEに誘導されるマスト細胞の活性化とアレルギー性炎症を促進する

2025年07月29日号

プロテオミクス解析により発がん性KRASシグナル伝達の標的、経路および細胞への影響を特定

2025年07月22日号

心筋細胞におけるPTP1Bの欠失は心臓の代謝シグナル伝達を変化させ、高脂肪食によって誘発される心筋症を予防する

2025年07月22日号

レポーターに基づくスクリーニングによってRAS-RAF変異を大腸がんにおける活性型RAS阻害薬耐性のドライバーとして同定

2025年07月15日号

ウイルス性脳炎マウスでは、アストロサイトのRIPK3が転写レベルでセルピンを誘導することにより保護的抗炎症活性を発揮する