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RGSタンパク質はGタンパク質サブユニットGαoの選択的刺激によってGPCR-GIRK共役の頑健性を維持する

RGS Proteins Maintain Robustness of GPCR-GIRK Coupling by Selective Stimulation of the G Protein Subunit Gαo

Research Article

Sci. Signal., 21 February 2012
Vol. 5, Issue 212, p. ra15
[DOI: 10.1126/scisignal.2002202]

Huai-hu Chuang1* and Alexander Y. Chuang2

1 Department of Biomedical Sciences, Cornell University, Ithaca, NY 14853, USA.
2 Lowell High School, 1101 Eucalyptus Drive, San Francisco, CA 94132, USA.

* To whom correspondence should be addressed. E-mail: huai-hu.chuang@cornell.edu

要約:活性化されたヘテロ三量体グアニンヌクレオチド結合タンパク質(Gタンパク質)共役受容体(GPCR)下流のGタンパク質シグナル伝達の終結は、グアノシントリホスファターゼ(GTPアーゼ)活性化タンパク質(GAP)として作用するGタンパク質シグナル伝達調節(RGS)タンパク質によって促進される。われわれは、アフリカツメガエル卵母細胞発現系を用いた研究によって、RGSタンパク質にはGPCR共役カリウムイオン(K+)チャネル(GIRK)の非活性化動態を加速するという負の作用がある一方で、神経伝達物質誘発性GIRK電流の振幅および活性化動態を増加させるという正の作用もあることを見いだした。GIRK電流の神経伝達物質依存的活性化の促進には、RGSボックスドメインだけで充分であった。 さらに、GAP活性を欠損するRGS4変異体は、GPCRとGIRKの共役を亢進させた(神経伝達物質惹起GIRK電流の測定によって評価)。RGS4は、Gタンパク質活性化動態を加速することによって、Gαoを特異的に刺激し、GAP活性にもかかわらずGPCRとGIRK の共役を亢進させた。このように、RGSタンパク質の相反する作用は、Gタンパク質を刺激・阻害することによって、神経伝達物質誘導性GIRK電流の振幅および動態を調整し、異なるGタンパク質のアイソフォームの活性化に対する応答を区別している。

H.-h. Chuang, A. Y. Chuang, RGS Proteins Maintain Robustness of GPCR-GIRK Coupling by Selective Stimulation of the G Protein Subunit Gαo. Sci. Signal. 5, ra15 (2012).

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2012年2月21日号

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