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上皮増殖因子受容体はToll様受容体3のシグナル伝達にとって不可欠である

Epidermal Growth Factor Receptor Is Essential for Toll-Like Receptor 3 Signaling

Research Article

Sci. Signal., 17 July 2012
Vol. 5, Issue 233, p. ra50
[DOI: 10.1126/scisignal.2002581]

Michifumi Yamashita, Saurabh Chattopadhyay, Volker Fensterl, Paramananda Saikia*, Jaime L. Wetzel, and Ganes C. Sen

Department of Molecular Genetics, Lerner Research Institute, Cleveland Clinic, 9500 Euclid Avenue, NE20, Cleveland, OH 44195, USA.

* Present address: School of Life Science, University of Hyderabad, Hyderabad 500046, India.

† To whom correspondence should be addressed. E-mail: seng@ccf.org

要約:Toll様受容体(TLR)は、特定の微生物による産物を認識し、自然免疫シグナルを引き起こして、インターフェロンなどの防御タンパク質を誘導する特異的な転写因子を活性化する。TLR3はエンドソームに局在し、ウイルス感染細胞やアポトーシスを起こした細胞によって生成される二本鎖RNA(dsRNA)を認識する。TLR3は、いくつかのヒト疾患と遺伝的に関連しており、そのような疾患にはウイルス性の病因がないものも含まれる。他のTLRとは異なり、TLR3が、アダプタータンパク質TRIF(インターフェロンβ誘導性Toll‐インターロイキン-1受容体ドメイン含有アダプタータンパク質)を動員し、抗ウイルス応答を開始するためには、細胞質ドメインに存在する2つの特異的なチロシン残基のリン酸化が必要である。われわれは、上皮増殖因子受容体(EGFR)ErbB1とSrcの2つのタンパク質チロシンキナーゼが、dsRNAによって活性化されたTLR3に順次結合して、2つのチロシン残基をリン酸化することを示した。EGFRを欠損する細胞、またはEGFR阻害薬で処理した細胞においては、ウイルス複製が亢進し、抗ウイルス遺伝子の誘導が障害された。このように、これらの結果は、抗ウイルス自然免疫と細胞増殖調節因子の関連性を明らかにしている。

M. Yamashita, S. Chattopadhyay, V. Fensterl, P. Saikia, J. L. Wetzel, G. C. Sen, Epidermal Growth Factor Receptor Is Essential for Toll-Like Receptor 3 Signaling. Sci. Signal. 5, ra50 (2012).

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