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AblファミリーキナーゼはアダプターのHEF1およびGTPアーゼのRap1を介してT細胞性炎症およびケモカイン誘導性遊走を調節する

Abl Family Kinases Modulate T Cell–Mediated Inflammation and Chemokine-Induced Migration Through the Adaptor HEF1 and the GTPase Rap1

Research Article

Sci. Signal., 17 July 2012
Vol. 5, Issue 233, p. ra51
[DOI: 10.1126/scisignal.2002632]

Jing Jin Gu1, Catherine P. Lavau2, Elena Pugacheva3, Erik J. Soderblom4, M. Arthur Moseley4, and Ann Marie Pendergast1*

1 Department of Pharmacology and Cancer Biology, Duke University School of Medicine, Durham, NC 27710, USA.
2 Pediatric Hematology-Oncology, Duke University School of Medicine, Durham, NC 27710, USA.
3 Department of Biochemistry, School of Medicine, West Virginia University, Morgantown, WV 26506, USA.
4 Proteomics Core Facility, Institute for Genome Sciences & Policy, Duke University, Durham, NC 27710, USA.

* To whom correspondence should be addressed. E-mail: ann.pendergast@duke.edu

要約:ケモカインシグナル伝達はホメオスタシスおよび炎症におけるT細胞の機能にとって重要であり、特定の細胞内経路の活性化を介してT細胞の極性および遊走を指示している。本研究では、これまで不明であったT細胞依存性炎症応答の調節におけるAblファミリーチロシンキナーゼのAblとArgの役割を解明し、ケモカイン誘導性T細胞の極性化および遊走にAblファミリーキナーゼが必要であることを明らかにした。本研究のデータから、AblおよびArgはケモカイン受容体下流で活性化され、細胞接着および遊走を成立させるグアノシントリホスファターゼRap1の活性化に必要なアダプタータンパク質であるヒトフィラメント化エンハンサー1(HEF1)のケモカイン誘導性チロシンリン酸化を媒介することが示された。ケモカイン誘導性T細胞遊走には、AblファミリーキナーゼによるHEF1のリン酸化およびRap1の活性化が必要であった。AblおよびArg欠損するマウスT細胞は、リンパ節へのホーミングおよび炎症部位への遊走が障害されていた。これらの知見は、Ablファミリーキナーゼがケモカイン媒介性炎症を特徴とするT細胞依存性免疫障害の治療における潜在的標的であることを示唆する。

J. J. Gu, C. P. Lavau, E. Pugacheva, E. J. Soderblom, M. A. Moseley, A. M. Pendergast, Abl Family Kinases Modulate T Cell-Mediated Inflammation and Chemokine-Induced Migration Through the Adaptor HEF1 and the GTPase Rap1. Sci. Signal. 5, ra51 (2012).

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