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ヘッジホッグ刺激性の走化性は一次繊毛の外側に位置するスムーズンド(Smoothened)によって媒介される

RESEARCH ARTICLES
Hedgehog-Stimulated Chemotaxis Is Mediated by Smoothened Located Outside the Primary Cilium

Research Article

Sci. Signal., 21 August 2012
Vol. 5, Issue 238, p. ra60
[DOI: 10.1126/scisignal.2002798]

Maarten F. Bijlsma1,2, Helene Damhofer2, and Henk Roelink1*

1 Department of Molecular and Cell Biology, University of California, Berkeley, 16 Barker Hall, 3204, Berkeley, CA 94720, USA.
2 Laboratory for Experimental Oncology and Radiobiology, Academic Medical Center, University of Amsterdam, Meibergdreef 9, 1105AZ Amsterdam, Netherlands.

* To whom correspondence should be addressed. E-mail: roelink@berkeley.edu

要約:ヘッジホッグ(Hh)経路の調節は、2つの受容体の相互作用に依存する。Hhの非存在下では、Patched1(Ptch1)がこの経路を抑制する。リガンドのHhがPtch1に結合すると、活性化受容体スムーズンド(Smo)の一次繊毛への局在化が刺激され、この局在化がHhの転写応答に必要である。Hhは、非転写経路を介して走化性を誘導することもできる。われわれは、Smoの繊毛局在化の欠損が、その細胞内輸送と、走化性シグナル伝達を媒介する能力に及ぼす影響を評価した。一次繊毛に局在できないSmo変異体を発現している細胞、または一次繊毛を欠損する細胞においては、Smoの細胞内輸送が変化し、HhまたはSmoアゴニストに応答して転写シグナル伝達が低下し、走化性応答が増大した。したがって、繊毛局在化装置は、Smoを、転写シグナル伝達を媒介できる細胞内部位に輸送し、走化性シグナル伝達を媒介できる部位からは離すと考えられる。このように、Smoの細胞内局在化は、シグナル伝達特性のきわめて重要な決定因子であり、走化性専用のSmoプールの存在を意味する。

M. F. Bijlsma, H. Damhofer, H. Roelink, Hedgehog-Stimulated Chemotaxis Is Mediated by Smoothened Located Outside the Primary Cilium. Sci. Signal. 5, ra60 (2012).

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