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WNK-SPAK/OSR1経路:カチオン−塩素イオン共輸送体のマスター制御因子

The WNK-SPAK/OSR1 pathway: Master regulator of cation-chloride cotransporters

Reviews

Sci. Signal., 15 July 2014
Vol. 7, Issue 334, p. re3
[DOI: 10.1126/scisignal.2005365]

Dario R. Alessi1, Jinwei Zhang1, Arjun Khanna2, Thomas Hochdörfer1, Yuze Shang3, and Kristopher T. Kahle2,3*

1 MRC Protein Phosphorylation and Ubiquitylation Unit, College of Life Sciences, University of Dundee, Dundee DD1 5EH, Scotland.
2 Department of Neurosurgery, Massachusetts General Hospital, and Harvard Medical School, Boston, MA 02115, USA.
3 Manton Center for Orphan Disease Research, Boston Children's Hospital, Boston, MA 02115, USA.

* Corresponding author. E-mail: kkahle@enders.tch.harvard.edu

要約:

WNK-SPAK/OSR1キナーゼ複合体は、キナーゼWNK(リジンなし)およびSPAK(SPS1関連プロリン/アラニンリッチキナーゼ)またはSPAKホモログOSR1(酸化ストレス応答性キナーゼ1)から成る。WNKファミリーは、細胞内Cl-濃度、細胞外浸透圧、および細胞容積の変化を感知し、この情報をナトリウム(Na+)、カリウム(K+)、および塩素イオン(Cl-)共輸送体[まとめて、CCC(カチオン−塩素イオン共輸送体)と呼ばれる]とイオンチャネルに伝達することで、細胞および生体の恒常性を維持し、細胞の形態および行動に影響を与える。この経路のタンパク質をコードするいくつかの遺伝子は、ヒト疾患で変異しており、共輸送体は、一般的に使用されている薬物の標的である。WNKはキナーゼSPAKおよびOSR1を刺激し、これらは、Cl-取り込み性Na+駆動性CCCを直接リン酸化して刺激する、あるいはCl-排出性K+駆動性CCCを阻害する。CCCに対するこれらの調整された相反する作用は、WNKおよびCCC内のRFXV/IモチーフとSPAKおよびOSR1の保存されたカルボキシル末端ドッキングドメインの相互作用によって開始される。この相互作用部位は、共輸送体を直接標的にするよりも効果的になり得る新薬の開発につながる集合点の候補である。腎臓では、WNK-SPAK/OSR1阻害は、上皮のNaCl再吸収とK+分泌を減少させ、血清中K+を維持しながら血圧を低下させる。神経では、WNK-SPAK/OSR1阻害は、Cl-排出を亢進し、γ-アミノ酪酸作動性(GABA作動性)阻害を促進し得る。そのような薬物は、本態性高血圧におけるK+節約型降圧薬、神経障害性疼痛における非中毒性鎮痛薬、てんかん、けいれん、神経障害性疼痛、総合失調症、および自閉症などの神経活動過剰に関連する疾患におけるGABA作動性阻害の促進剤として有効かもしれない。

D. R. Alessi, J. Zhang, A. Khanna, T. Hochdörfer, Y. Shang, K. T. Kahle, The WNK-SPAK/OSR1 pathway: Master regulator of cation-chloride cotransporters. Sci. Signal. 7, re3 (2014).

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