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健康および疾病状態における抑制性シナプスの中心的オーガナイザーとしてのニューロリジン-2
Neuroligin-2 as a central organizer of inhibitory synapses in health and disease
Sci. Signal. 22 Dec 2020:
Vol. 13, Issue 663, eabd8379
DOI: 10.1126/scisignal.abd8379
Heba Ali1,2, Lena Marth1, and Dilja Krueger-Burg1,3,*
- 1 Department of Molecular Neurobiology, Max Planck Institute of Experimental Medicine, 37075 Göttingen, Germany.
- 2 Göttingen Graduate School for Neurosciences, Biophysics, and Molecular Biosciences, University of Göttingen, 37077 Göttingen, Germany.
- 3 Department of Psychiatry and Psychotherapy, University Medical Center Göttingen, 37075 Göttingen, Germany.
* Corresponding author. Email: dilja.krueger-burg@med.uni-goettingen.de
要約
神経回路網を介する情報の流れを形成する、シナプス形成の調整およびシナプス伝達の機能的特性の決定の両方に、シナプス後構造化タンパク質複合体が重要な役割を果たしている。これら構造化に関わるタンパク質複合体の主要な構成要素は、ニューロリジンと呼ばれるシナプス接着タンパク質のファミリーである。ニューロリジンはシナプス前のニューレキシンとともにシナプス間架橋を形成し、興奮性および抑制性シナプス伝達の様々な側面を制御している。中でもニューロリジン-2(NLGN2)は、GABA作動性抑制性シナプスのみで働く唯一のメンバーである。NLGN2およびその数種の相互作用パートナーの発現変化および変異は、認知障害、ならびに統合失調症、自閉症および不安を含む精神障害と関連している。抑制性シナプスの分子構造に関するわれわれの理解は根本的に、NLGN2に関する研究によって形作られてきた。本稿では、哺乳類のNLGN2の分子および細胞機能、ならびにげっ歯類とヒトの行動を制御している神経回路におけるその役割に関する、現在の知識について考察する。
Citation: H. Ali, L. Marth, D. Krueger-Burg, Neuroligin-2 as a central organizer of inhibitory synapses in health and disease. Sci. Signal. 13, eabd8379 (2020).