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Akt1-CREB経路の活性化によりRNF146発現が促進され、PARP1を介する神経細胞死が抑制される

Activation of the Akt1-CREB pathway promotes RNF146 expression to inhibit PARP1-mediated neuronal death

Research Article

Sci. Signal. 22 Dec 2020:
Vol. 13, Issue 663, eaax7119
DOI: 10.1126/scisignal.aax7119

Hyojung Kim1, Jisoo Park1, Hojin Kang1, Seung Pil Yun2, Yun-Song Lee1, Yun-Il Lee3, and Yunjong Lee1,4,*

  1. 1 Division of Pharmacology, Department of Molecular Cell Biology, Sungkyunkwan University School of Medicine, Suwon 16419, South Korea.
  2. 2 Department of Pharmacology and Convergence Medical Science, College of Medicine, Gyeongsang National University, Jinju 52727, South Korea.
  3. 3 Well Aging Research Center, Daegu Gyeongbuk Institute of Science and Technology, Daegu 42988, South Korea.
  4. 4 Samsung Biomedical Institute, Samsung Medical Center, Seoul 06351, South Korea.

* Corresponding author. Email: ylee69@skku.edu

要約

ドパミン作動性神経の進行性変性は、パーキンソン病(PD)の特徴である。この神経細胞脱落は多様な機構を介して発生し、そのような機構としては、パータナトスと呼ばれる、ポリ(ADP-リボース)ポリメラーゼ-1(PARP1)に依存するプログラム細胞死の一種などがある。キナーゼAkt1の活性欠損とタンパク質α-シヌクレインの凝集も、疾患の発症機序に関与する。今回われわれは、Akt1が、転写機構を介してドパミン作動性神経におけるパータナトスを抑制することを見出した。SH-SY5Y細胞に恒常的活性型Akt1を過剰発現させること、または細胞をクロロゲン酸(コーヒーに含まれるポリフェノールで、Akt1を活性化する)存在下で培養することにより、E3ユビキチンリガーゼRNF146をコードする遺伝子のCREB依存性の転写活性化が促進された。RNF146は、E3リガーゼ機能を介してではなく、PARに結合して隔離することによってPARP1を阻害し、ドパミン作動性神経毒6-OHDAまたはα-シヌクレイン凝集に曝露した培養細胞の生存率を高めた。マウスにおいて、クロロゲン酸の腹腔内投与により、脳のAkt1-CREB-RNF146経路が活性化され、6-OHDAと複合的α-シヌクレイン病の両方に対するRNF146依存的な神経保護効果が得られた。さらに、PD患者の死後脳検体において、Akt1-CREB経路の調節不全が認められた。これらの結果から、Akt1-CREB経路の活性化などによりRNF146発現を治療的に回復させることで、PDにおける神経変性が停止する可能性があることが示唆される。

Citation: H. Kim, J. Park, H. Kang, S. P. Yun, Y.-S. Lee, Y.-I. Lee, Y. Lee, Activation of the Akt1-CREB pathway promotes RNF146 expression to inhibit PARP1-mediated neuronal death. Sci. Signal. 13, eaax7119 (2020).

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