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がん発生と抗腫瘍免疫におけるジアシルグリセロールシグナル伝達の包括的な役割

Overarching roles of diacylglycerol signaling in cancer development and antitumor immunity

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SCIENCE SIGNALING
12 Apr 2022 Vol 15, Issue 729
DOI: 10.1126/scisignal.abo0264

Mariana Cooke1,2,* and Marcelo G. Kazanietz1,*

  1. 1 Department of Systems Pharmacology and Translational Therapeutics, Perelman School of Medicine, University of Pennsylvania, Philadelphia, PA 19104, USA.
  2. 2 Department of Medicine, Einstein Medical Center Philadelphia, Philadelphia, PA 19141, USA.

* Corresponding author. Email: marcooke@pennmedicine.upenn.edu (M.C.); marcelog@pennmedicine.upenn.edu (M.G.K.)

要約

ジアシルグリセロール(DAG)は、細胞外刺激に応答して生成され、哺乳類細胞の増殖、生存、運動性に影響する細胞内シグナルを導く脂質セカンドメッセンジャーである。DAGは、プロテインキナーゼC(PKC)と、プロテインキナーゼD(PKD)アイソザイムや低分子GTPアーゼ調節タンパク質(RasGRPなど)のような他のエフェクターを介して無数の生物学的機能を発揮する。ホスホリパーゼC(PLC)酵素によるDAG生成とDAGキナーゼ(DGK)による終結のあいだで微調整される恒常性の不均衡は、DAGエフェクターの活性または量の調節不全と同様に、腫瘍の発生、増悪、転移と広く関連している。また、DAGはT細胞機能の主要なオーケストレーターでもあるため、腫瘍免疫監視において重要な役割を担う。さらに、DAG経路は、がん細胞と免疫系全体との間の複雑で動的な相互作用を調整することによって腫瘍生態系を形作っており、それゆえに、免疫チェックポイントとT細胞指向性養子免疫療法の強力な修飾因子にもなる。広範なDAGシグナルを総合的な観点から開発すれば、がん標的療法の有意義な進展の裏付けとなる可能性がある。

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