• ホーム
  • NF-κB複合二量体系モデル:多様な生物学的状況を検討するための知識ベース

NF-κB複合二量体系モデル:多様な生物学的状況を検討するための知識ベース

The NF-κB multidimer system model: A knowledge base to explore diverse biological contexts

Reviews

SCIENCE SIGNALING
14 Mar 2023 Vol 16, Issue 776
DOI: 10.1126/scisignal.abo2838

Simon Mitchell1, 2, 3, *, Rachel Tsui1, Zhixin Cyrillus Tan2, Arran Pack3, Alexander Hoffmann1, 2, *

  1. 1 Signaling Systems Laboratory, Department of Microbiology, Immunology, and Molecular Genetics, UCLA, Los Angeles, CA 90095, USA.
  2. 2 Institute for Quantitative and Computational Biosciences, UCLA, Los Angeles, CA 90095, USA.
  3. 3 Brighton and Sussex Medical School, Department of Clinical and Experimental Medicine, University of Sussex, Falmer, East Sussex BN1 9PX, UK.

* Corresponding author. Email: ahoffmann@ucla.edu, s.a.mitchell@bsms.ac.uk

要約

核内因子κB(NF-κB)系は、多くの細胞種において、炎症反応、細胞増殖、生存、分化、病原性反応などのさまざまな生物学的機能にきわめて重要である。各細胞種は、15種類のNF-κB二量体のサブセットによって特徴付けられ、これらの二量体の活性は刺激応答的に調節される。数多くの研究により、細胞種特異的なNF-κB活性を説明する異なる数理モデルが作成されている。しかし、NF-κBサブユニットの濃度または存在量は細胞種によって異なる可能性がある一方、NF-κBシグナル伝達系を構成する生化学的相互作用は異ならない。今回われわれは、NF-κB二量体の細胞種特異的なレパートリーと、それらの細胞種特異的な活性化およびクロストークを説明することが可能な、NF-κB複合二量体系のコンセンサス数理モデルを作り出した。われわれのレビューでは、NF-κBシグナル伝達のこれらの異なる細胞種特異的な性質は、NF-κB単量体の細胞種特異的発現の創発効果として大部分が説明されることを示している。コンセンサスシステムモデルは、多様な生理的および病的状況におけるNF-κBの制御と機能に関する洞察を得るために用いることができる知識ベースであり、その他の多面的シグナル伝達系について同様の制御に関する知識ベースを構築するための道筋を示すものである。

英文原文をご覧になりたい方はScience Signaling オリジナルサイトをご覧下さい

英語原文を見る

2023年3月14日号

Editor's Choice

IL-6が肝細胞の脱分化を誘導する

Research Article

Z-DNA結合タンパク質1により媒介される亜ヒ酸塩誘発ネクロトーシスには標準的な細胞ストレス顆粒が必要である

核内のSUMO化されたIL-33が肝細胞がん細胞の転写因子IRF1を安定化させて免疫逃避を促進する

Reviews

NF-κB複合二量体系モデル:多様な生物学的状況を検討するための知識ベース

最新のReviews記事

2024年1月9日号

炎症性腸疾患の免疫病態形成におけるNF-κBシグナル伝達系

2024年1月2日号

TAOキナーゼの多面的機能と神経障害におけるそれらの調節不全

2023年5月2日号

炎症に対する機械感覚:自然免疫細胞におけるYAP/TAZの役割

2023年3月14日号

NF-κB複合二量体系モデル:多様な生物学的状況を検討するための知識ベース

2022年11月8日号

腫瘍微小環境における発がん性シグナル伝達経路の代謝産物活性化