• ホーム
  • 保存組織ブロックの単一細胞マスサイトメトリーによりヒト結腸直腸がんにおけるシグナル伝達経路間の協調障害を解明

保存組織ブロックの単一細胞マスサイトメトリーによりヒト結腸直腸がんにおけるシグナル伝達経路間の協調障害を解明

Impaired coordination between signaling pathways is revealed in human colorectal cancer using single-cell mass cytometry of archival tissue blocks

Research Resources

Sci. Signal. 11 Oct 2016:
Vol. 9, Issue 449, pp. rs11
DOI: 10.1126/scisignal.aah4413

Alan J. Simmons1,2, Cherié R. Scurrah1,2, Eliot T. McKinley1,3, Charles A. Herring1,4, Jonathan M. Irish5,6, M. Kay Washington6, Robert J. Coffey1,2,3,7, and Ken S. Lau1,2,4,*

1 Epithelial Biology Center, Vanderbilt University Medical Center, Nashville, TN 37232, USA.
2 Department of Cell and Developmental Biology, Vanderbilt University School of Medicine, Nashville, TN 37232, USA.
3 Department of Medicine, Vanderbilt University Medical Center, Nashville, TN 37232, USA.
4 Chemical and Physical Biology Program, Vanderbilt University Medical Center, Nashville, TN 37232, USA.
5 Department of Cancer Biology, Vanderbilt University School of Medicine, Nashville, TN 37232, USA.
6 Department of Pathology, Microbiology, and Immunology, Vanderbilt University Medical Center, Nashville, TN 37232, USA.
7 Veterans Affairs Medical Center, Tennessee Valley Healthcare System, Nashville, TN 37232, USA.

* Corresponding author. Email: ken.s.lau@vanderbilt.edu

要約  細胞の不均一性は、組織レベルの表現型の理解を著しく困難にし、従来のバルク分析を混同させる。ヒト組織において単一細胞レベルのシグナル伝達を解析するため、われわれは、飛行時間型サイトメトリーを用いたマスサイトメトリーを、ホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)処理した正常および罹病腸管標本に応用した。このFFPE-DISSECT(Disaggregation for Intracellular Signaling in Single Epithelial Cells from Tissue)と呼ばれる技術は、包埋した組織試料におけるシグナル伝達状態を明らかにするための単一細胞アプローチである。われわれはFFPE-DISSECTとマスサイトメトリーを組み合わせて応用し、腸管の腸細胞、杯細胞および腸内分泌細胞における腫瘍壊死因子–αによる差次的なシグナル伝達を見いだした。このことは、杯細胞の特徴の決定には下流のRAS-RAF-MEK経路が関与していることを示唆していた。この技術およびコンピューター解析をヒト結腸標本に応用することで、結腸直腸がん(CRC)は正常結腸に比べて低分化状態であることを確認し、CRCでは組織内および組織間の不均一性が高く、シグナル伝達経路の調節に定量的な変化が生じていることを明らかにした。具体的には、増殖する正常結腸細胞において生じているキナーゼであるp38とERK、翻訳調節因子4EBP1および転写因子CREBの同時調節が、CRCでは失われていた。われわれのデータは、この単一細胞アプローチをゲノムのアノテーションと組み合わせて応用することで、包埋ヒト組織の臨床的レポジトリから、細胞の不均一性を迅速かつ詳細に特徴解析できることを示唆している。この技術は、(CRCに限らず)保存患者試料から細胞のランドスケープを導くために、さらに疾患の特性解析およびサブタイプ分類のための高解像度ツールとして用いることができる。

Citation: A. J. Simmons, C. R. Scurrah, E. T. McKinley, C. A. Herring, J. M. Irish, M. K. Washington, R. J. Coffey, K. S. Lau, Impaired coordination between signaling pathways is revealed in human colorectal cancer using single-cell mass cytometry of archival tissue blocks.Sci. Signal. 9, rs11 (2016).

英文原文をご覧になりたい方はScience Signaling オリジナルサイトをご覧下さい

英語原文を見る

2016年10月11日号

Editor's Choice

新たなつながり:腫瘍特異的なシグナル伝達を検出する

Research Article

圧力によって誘導されるPKGの酸化的活性化がCa2+スパークとBKチャネルによる血管調節を可能にする

脂質ラフトでラクトシルセラミドに結合するリポアラビノマンナンはヒト好中球によるマイコバクテリアの貪食に不可欠である

Research Resources

保存組織ブロックの単一細胞マスサイトメトリーによりヒト結腸直腸がんにおけるシグナル伝達経路間の協調障害を解明

最新のResearch Resources記事

2020年2月4日号

がんにおけるGタンパク質シグナル伝達タンパク質の調節因子の変異ランドスケープの探索

2020年1月28日号

PP2Aの触媒サブユニットのC末端を認識する抗体はPP2Aの活性とホロ酵素の構成の評価には不向きである

抗Mycタグモノクローナル抗体9E10は、隣接する配列前後関係に依存する変動の大きいエピトープ認識を示す

2019年12月10日号

高血圧性腎の代謝再配線

2019年11月26日号

ヒトセクレトーム