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野生型および変異型RIT1に媒介される発がん性シグナル伝達のマルチオミクス解析による特徴づけ

Multiomic characterization of oncogenic signaling mediated by wild-type and mutant RIT1

Research Resources

SCIENCE SIGNALING
30 Nov 2021 Vol 14, Issue 711
DOI: 10.1126/scisignal.abc4520

April Lo1,2,†, Kristin Holmes1,†, Shriya Kamlapurkar1, Filip Mundt3,4,‡, Sitapriya Moorthi1, Iris Fung3, Shaunt Fereshetian3, Jacqueline Watson3, Steven A. Carr3, Philipp Mertins3,§, Alice H. Berger1,2,*

  1. 1 Human Biology Division, Fred Hutchinson Cancer Research Center, Seattle, WA 98109, USA.
  2. 2 Department of Genome Sciences, University of Washington, Seattle, WA 98195, USA.
  3. 3 Proteomics Platform, Broad Institute of MIT and Harvard, Cambridge, MA 02142, USA.
  4. 4 Department of Oncology-Pathology, Karolinska Institute, 171 77 Stockholm, Sweden.

* Corresponding author. Email: ahberger@fredhutch.org

† These authors contributed equally to this work.

‡ Present address: Proteomics Technology Platform, Max Delbrück Center for Molecular Medicine and Berlin Institute of Health at Charité-Universitätsmedizin Berlin, 13125 Berlin, Germany.

§ Present address: Proteomics Platform, Max Delbrück Center for Molecular Medicine in the Helmholtz Society, 13092 Berlin, Germany.

要約

グアノシントリホスファターゼ(GTPアーゼ)であるRASファミリーの異常な活性化は肺腺がんで高頻度にみられ、腫瘍の約30%でKRASの体細胞変異が生じている。われわれは以前、肺腺がんにおいて、RASファミリーのGTPアーゼRIT1をコードする遺伝子の体細胞変異と増幅を同定した。RIT1によって調節される生物学的経路を探索し、それらの経路が発がん性のKRASネットワークにどのように関連するのかを調査するために、われわれは、野生型またはがん関連変異型のRIT1およびKRASを異所的に発現させた同じ遺伝的背景の肺上皮細胞について、定量プロテオミクス、リン酸化プロテオミクス、トランスクリプトミクスによるプロファイリングを実施した。そして、変異型KRASと変異型RIT1の両方で標準的なRASシグナル伝達が促進されていることと、野生型RIT1を過剰発現させると、上皮から間葉への転移の誘導など、発がん性のRIT1およびKRASの表現型が部分的に模写されることを明らかにした。これらの知見は、RIT1タンパク質の存在量がRIT1の病原性機能の因子であることを示唆している。そのため、肺がんおよび他のがんにおける野生型RIT1の染色体増幅は腫瘍原性を示す可能性がある。

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