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タンデムBRCTドメインを介するタンパク質相互作用の様式を図表化する

Charting the Landscape of Tandem BRCT Domain–Mediated Protein Interactions

Research Resources

Sci. Signal., 18 September 2012
Vol. 5, Issue 242, p. rs6
[DOI: 10.1126/scisignal.2002255]

Nicholas T. Woods1, Rafael D. Mesquita2*, Michael Sweet1,3, Marcelo A. Carvalho2,4, Xueli Li1, Yun Liu5, Huey Nguyen1, C. Eric Thomas6, Edwin S. Iversen Jr.7, Sylvia Marsillac1, Rachel Karchin5, John Koomen6, and Alvaro N. A. Monteiro1†

1 Cancer Epidemiology Program, H. Lee Moffitt Cancer Center and Research Institute, Tampa, FL 33612, USA.
2 Instituto Federal de Educação, Ciência e Tecnologia, Rio de Janeiro, RJ 20270, Brazil.
3 Graduate Program in Biomedical Sciences, College of Medicine, University of South Florida, Tampa, FL 33612, USA.
4 Instituto Nacional do Câncer, Rio de Janeiro, RJ 20231, Brazil.
5 Institute for Computational Medicine, Department of Biochemical Engineering, Johns Hopkins University, Baltimore, MD 21218, USA.
6 Molecular Oncology Program, H. Lee Moffitt Cancer Center and Research Institute, Tampa, FL 33612, USA.
7 Department of Statistical Science, Duke University, Durham, NC 27708, USA.

* Departamento de Bioquímica, Instituto de Química, Universidade Federal do Rio de Janeiro, Rio de Janeiro, RJ 21941, Brazil.

† To whom correspondence should be addressed. E-mail: alvaro.monteiro@moffitt.org

要約:真核細胞は、DNA損傷を修復してその損傷が娘細胞に伝わるのを防ぐために、複雑な系を進化させてきた。DNA損傷反応(DNA damage response:DDR)ネットワークと総称されるこの系には、DNA損傷を検出し、修復を促進し、細胞周期の進行を調整する多数のタンパク質が含まれる。このネットワークの欠陥はがんを引き起こす可能性があるので、このネットワークは腫瘍形成に対して一種のバリアを構成している。モジュール型BRCA1カルボキシ末端(BRCA1 carboxyl-terminal:BRCT)ドメインはDDRに関与するタンパク質にしばしば含まれ、個々のドメインあるいはタンデムドメイン(tBRCT)として存在し、リン酸化ペプチドに結合することがある。われわれは、文献キュレーション、酵母ツーハイブリッドスクリーニング、およびタンデムアフィニティー精製-質量分析法を組み合わせることによって、DDRにおいてtBRCTが関与するタンパク質間相互作用を体系的に解析した。その結果、保存されたBRCTドメインを含む23のタンパク質を同定し、tBRCTを有する7種のタンパク質に関するヒトのタンパク質間相互作用ネットワークを作成した。この研究によって、COMMD1やラパマイシン標的タンパク質複合体(mTORC2)などのこれまで不明であったDNA損傷シグナル伝達の構成要素が明らかになった。さらに、tBRCTドメインとDDRリン酸化タンパク質の相互作用に関する研究と、キナーゼ-基質間相互作用の解析を統合することによって、疾患およびDNA修復へのtBRCTの関与の理解に役立つ可能性のあるシグナル伝達のサブネットワークが明らかになった。

N. T. Woods, R. D. Mesquita, M. Sweet, M. A. Carvalho, X. Li, Y. Liu, H. Nguyen, C. E. Thomas, E. S. Iversen, Jr., S. Marsillac, R. Karchin, J. Koomen, A. N. A. Monteiro, Charting the Landscape of Tandem BRCT Domain-Mediated Protein Interactions. Sci. Signal. 5, rs6 (2012).

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