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研究用

ポストコロナを見据えた感染症研究 特集:免疫と感染症

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はじめに

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コスモバイオニュース182号で特集しています
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感染症とは、病気を起こす微生物(病原体)が多細胞生物(人や動物、植物)に定着し、症状を起こすことをいう。ここでいう微生物とは、マイコプラズマ、リケッチア、クラミジア、細菌、カビ、回虫や蟯虫などの寄生虫、さらには生物か無生物かが今でも議論されているウイルスが含まれている。2019年以降の新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の出現によって、今現在でもこのウイルスによる地球規模のパンデミックとの戦に明け暮れている。多くの人命が失われただけでなく、世界経済へも大きな打撃を与え、さらには社会活動そのものに大きなパラダイムシフトを与えたことは確かだと思われる。

生活習慣病研究から再び感染症研究へ

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が蔓延するほんの数年前まで、わが国の医療研究はがんや認知症を引き起こす可能性のある、高血圧症や脂質異常症、糖尿病などの生活習慣病研究に注力されていたように思う。しかし、数十年前までは「病気といえば感染症」の時代が続いており、製薬企業では病原菌を特異的に死滅させる、いわゆる抗生物質の探索や製剤化の研究が主流であった。今回のCOVID-19のパンデミックは時代を逆戻りさせ、再び感染症の予防や治療薬開発が重要視されるようになった。

自然免疫と獲得免疫

2022年1月現在、COVID-19予防としてはワクチン接種が推奨されており、その効果としてSARS-CoV-2に対する抗体が作られているかどうかが大きく論じられている。ウイルス感染防御という意味では、獲得免疫系で産生される抗体だけがその切り札と思われがちだが、ウイルス感染予防として自然免疫系も重要な働きを持っていることも忘れてはいけない。事実、獲得免疫系は脊椎動物になって初めて獲得されたものであって、地球生命体のほとんどは未だに自然免疫系のみで生き延びていることを考えると、その重要性はさらに理解できると思われる。

バクテリア由来のEVs

近年の研究でバクテリア(単細胞)由来のEVs (Extracellular Vesicles)が宿主(多細胞生物体)に大きな影響力を持つことが次々に明らかになっている1,2)。もともと微生物の間で互いの秩序形成のために利用されていたEVsは、多細胞生物体にも大きな影響力を持つことは地球生命体の進化の歴史を思えば当然なことと理解できる。実際、我々ヒトを含めた動物はその腸内に体細胞よりも多くの微生物を養っている。さらに言及すれば、「太古の地球微生物環境(嫌気性環境)を大腸内に作り上げている」とも理解できる。
バクテリア由来のEVsの応用としてワクチン開発を主軸に、機能性食品や化粧品原料などを目指した研究が、ここ数年で急速に世界中で進められている。今後は、感染防御という意味でも抗生物質だけではなく、バクテリア由来のEVsへの期待も大きいと思われる。

本特集では、COVID-19研究で注目される商品から、ワクチン開発、その他免疫・感染症研究に有用なツールまで、幅広く紹介する。

 

 

COVID-19で注目

 

Binding Assay

高感度なバインディング・アッセイプロトコールを提供

新型コロナウイルス表面のスパイクタンパク質と細胞表面のACE2の結合阻害薬剤のスクリーニングにご利用いただける試薬を取り揃えています。

 詳細情報:新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)受容体結合試験用試薬

変異株に対応した試薬もございます。

 詳細情報:新型コロナウイルス SARS-CoV-2 変異スパイクタンパク質 RBD

 

抗体アッセイ / ELISA・ELISpot等

ELISA

ELISpot / FluoroSpot

  • ELISpot Path/FluoroSpot Path: ヒト IFN-γ/IL-2/Granzyme B キット(SARS-CoV-2ペプチドプール付)
    SARS-CoV-2ペプチドへの免疫応答により細胞から分泌されるIFN-γやIL-2、グランザイムBを検出するキット。ELISpotではIFN-γを比色法にて検出、FluoroSpotではIFN-γおよびIL-2を蛍光法にて検出し、サイトカインを分泌する細胞数をカウントすることが可能です。キットごとに異なるSARS-CoV-2ペプチドプール製品が付属します。
【T細胞 免疫応答関連】
【B細胞 免疫応答関連】

ラテラルフローイムノアッセイ

 

ACE2細胞株

 

サイトカイン/インターフェロン

  • NeutraKine® IL-6 中和抗体
    サイトカインストームで注目の IL-6 タンパク質の中和試験(Neutralization test)に適用可能なマウスモノクローナル中和抗体。
  • インターフェロン測定キット
    世界有数のインターフェロンメーカー PBL Assay Science社が高品質のELISAキットをお届けします。
 

自然免疫バイオマーカー

 

その他関連ツール

  • ヒト MxAタンパク質測定ELISAキット
    ウイルス感染、抗ウイルス活性の評価に。?型インターフェロンの生物活性マーカーMxAタンパク質を測定するELISAキット
  • 樹状前駆細胞(マウス)
    マウス大腿骨骨髄より採取した樹状前駆細胞を凍結した細胞です。抗原提示細胞の一種で、ウイルスや細菌に感染した細胞やがん化した細胞を異物として取り込み、異物の排除に寄与することで知られている樹状細胞の前駆細胞です。
 

新型コロナウイルス研究用ツール

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ワクチン開発研究

フローサイトメトリーによるT細胞のモニタリングに

  • MHCマルチマー(デキストラマー)
    フローサイトメトリーによる抗原特異的T細胞集団を単離・検出
  • Klickmer™
    ビオチン化分子の結合を可能にする複数のアクセプター部位を持つ MHC デキストラマー骨格です。高いアビディティの多量体を生成し、お客様の選択する分子を提示します。
  • U-Load Dextramer®キット
    ご自身の目的にあったペプチドを用いて簡単にフローサイトメトリー用Dextramer®試薬を作製可能です。

次世代シーケンスによるT細胞のモニタリングに

  • dCODE Dextramer®
    MHCデキストラマーにDNAバーコードが付加された試薬。同一サンプル内の複数のT細胞特異性をハイスループットでスクリーニングすることが可能になりました。
  • dCODE Klickmer™
    ビオチン化分子の結合を可能にする複数のアクセプター部位を持つ dCODE デキストラマー骨格です。ご希望のビオチン化分子を結合することでPCRや次世代シーケンスにより、抗原特異的細胞の分析をすることが可能です。
  • U-Load dCODE Dextramer®キット
    ご自身の目的にあったペプチドを用いて簡単に次世代シーケンス用dCODE Dextramer®試薬を作製可能です。

T細胞の活性化と増殖に

末梢血単核細胞(PBMC)

  • ヒト末梢血単核細胞
    グラジエント遠心分離法によって分離した単核球。がん研究、ウイルス感染症研究、ワクチン開発研究など幅広いアプリケーションでご利用いただけます。
  • 動物由来の末梢血単核細胞
    ラット/マウス/ウサギ/サル由来の高品質なPBMCです。
 
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その他/免疫・感染症研究

 
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商品は「研究用試薬」です。人や動物の医療用・臨床診断用・食品用としては使用しないように、十分ご注意ください。

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