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サーチュイン
分泌におけるSIRT6の役割
Sirtuins
A Role for SIRT6 in Secretion
Sci. Signal., 9 April 2013
Vol. 6, Issue 270, p. ec81
[DOI: 10.1126/scisignal.2004213]
John F. Foley
Science Signaling, AAAS, Washington, DC 20005, USA
H. Jiang, S. Khan, Y. Wang, G. Charron, B. He, C. Sebastian, J. Du, R. Kim, E. Ge, R. Mostoslavsky, H. C. Hang, Q. Hao, H. Lin, SIRT6 regulates TNF-α secretion through hydrolysis of long-chain fatty acyl lysine. Nature 496, 110-113 (2013). [PubMed]
P. Bheda, C. Wolberger, Sirtuin on a high-fat diet. Nature 496, 41-42 (2013). [PubMed]
サーチュインファミリー酵素のメンバーは、ニコチンアミド(NAD)依存性脱アセチル化酵素であり、修飾を受けたヒストンタンパク質の脱アセチル化を通して遺伝子発現の制御に関与する。SIRT5およびSIRT6を含む一部のサーチュインは脱アセチル化酵素活性が弱いことに注目し、Jiangらは、SIRT6が他の翻訳後修飾に対する酵素活性を有するかどうかを検討した。ヒストンH3K9に基づいた、異なるアシル基による修飾を受けたペプチド配列に対するSIRT6 の触媒効率をin vitroで分析したところ、SIRT6の脱ミリストイル化活性は脱アセチル化活性の300倍効率が高いことが示された。ミリストイル化されたH3K9ペプチドおよびアデノシン二リン酸リボースと複合体を形成したSIRT6の構造を解明したところ、ペプチドの長鎖脂肪酸アシル修飾を収容する疎水性ポケットがSIRT6内に存在することが明らかになった。腫瘍壊死因子-α(TNF-α)は、炎症促進性サイトカインであり、2つのリジン残基K19およびK20にミリストイル化を受ける。タグを付加したTNF-αを発現している野生型およびSIRT6欠損細胞の解析から、ミリストイル化の程度はSIRT6の不在下でもっとも大きいことが示された。SIRT6欠損はまた、培養細胞培地へのTNF-α分泌の減少、アシル化サイトカインの細胞内蓄積をもたらした。SIRT6欠損細胞に野生型SIRT6を戻したところ、細胞のTNF-α分泌能が回復したが、触媒作用が不活性なSIRT6変異体を戻した場合は、回復しなかった。さらに、マウス骨髄由来マクロファージまたはヒトマクロファージ細胞株におけるSIRT6のノックダウンにより、TNF-α分泌の低下がもたらされた。さらなる解析により、SIRT6が細胞の小胞体画分に認められることが示され、これは、SIRT6がTNF-α分泌の促進に役割を果たす可能性があることと整合している。Commentaryで BhedaとWolbergerが論じているように、これらのデータは、関連する最近の発見と共に、サーチュインは、その幅広い酵素活性を鑑みて、脱アセチル化酵素というよりもリジン脱アシル化酵素と考えたほうがよいかもしれないことを示唆している。
J. F. Foley, A Role for SIRT6 in Secretion. Sci. Signal. 6, ec81 (2013).