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HSV-1によるCGASの脱アミド化

HSV-1 deamidates cGAS

Editor's Choice

Sci. Signal. 11 Sep 2018:
Vol. 11, Issue 547, eaav3302
DOI: 10.1126/scisignal.aav3302

Annalisa M. VanHook

Science Signaling, AAAS, Washington, DC 20005, USA

J. Zhang, J. Zhao, S. Xu, J. Li, S. He, Y. Zeng, L. Xie, N. Xie, T. Liu, K. Lee, G. J. Seo, L. Chen, A. C. Stabell, Z. Xia,S. L. Sawyer, J. Jung, C. Huang, P. Feng, Species-specific deamidation of cGAS by herpes simplex virus UL37 protein facilitates viral replication. Cell Host Microbe 24, 234-248.e5 (2018).
Google Scholar

HSV-1酵素は細胞質DNAセンサーであるcGASを脱アミド化することで、自然免疫応答を抑制する。

要約

侵入する病原体からの細胞質DNAは、サイクリックグアノシン一リン酸−アデノシン一リン酸(cGAMP)シンターゼであるcGASを刺激することで、自然免疫応答を誘発することができる。このDNA感知酵素により生成されるcGAMPが、アダプタータンパク質であるSTINGを活性化し、最終的には、炎症性サイトカインとインターフェロンをコードする遺伝子の発現を誘導する。リン酸化、ユビキチン化およびSUMO化などの翻訳後修飾は、cGASの活性を制御し、また一部の病原体の標的となることで自然応答を抑制する。Zhangらは、単純ヘルペスウイルス1型(HSV-1)からのデアミダーゼUL37の触媒活性が、このウイルスがcGAS依存性にマウスの死亡を引き起こすために、さらにマウス初代培養マクロファージおよびヒト単核球細胞株におけるcGAMPと炎症性サイトカインの産生を抑制するために、必要であることを見いだした。UL37の発現は、cGAS中の2つのアスパラギン残基と2つのグルタミン残基を脱アミド化し、それぞれアスパラギン酸とグルタミン酸に変換させたことから、ヒト細胞におけるcGAMPの生成とcGAS依存性反応の阻害に十分であった。脱アミド化はcGASのcGAMPシンターゼ活性を阻害したが、cGASがホモ二量体化する能力、またはDNAあるいはヌクレオチドに結合する能力は阻害しなかった。UL37が標的とする全4つの残基をそれに相当する脱アミド化残基で置換した、またはAsn210のみをアスパラギン酸で置換したcGAS変異体では、cGAS依存性反応が低下していた。Asn210はマウス、ヒトおよびゴリラの間では保存されていたが、他数種の霊長類では保存されていなかった。霊長類のcGASの野生型および様々な変異型を用いた実験から、この残基は、cGAS中の他の残基のUL37を介した脱アミド化、並びにcGASを介した反応の抑制に重要であることが明らかにされた。これらの所見は、cGASを阻害するウイルス誘発性の翻訳後修飾を同定したことに加え、HSV-1がなぜマウス、ヒトおよびゴリラに感染でき、他の非ヒト霊長類には感染できないかを説明するものと考えられる。

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2018年9月11日号

Editor's Choice

HSV-1によるCGASの脱アミド化

Research Article

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