ERADが飢餓応答を抑制する

ERAD suppresses the starvation response

Editor's Choice

Sci. Signal. 04 Dec 2018:
Vol. 11, Issue 559, eaaw2150
DOI: 10.1126/scisignal.aaw2150

Annalisa M. VanHook

Science Signaling, AAAS, Washington, DC 20005, USA

J. Wei, L. Chen, F. Li, Y. Yuan, Y. Wang, W. Xia, Y. Zhang, Y. Xu, Z. Yang, B. Gao, C. Jin, J. Melo-Cardenas, R. M.Green, H. Pan, J. Wang, F. He, K. Zhang, D. Fang, HRD1-ERAD controls production of the hepatokine FGF21 through CREBH polyubiquitination. EMBO J. 37, e98942 (2018). Abstract/FREE Full TextGoogle Scholar

A. Bhattacharya, S. Sun, H. Wang, M. Liu, Q. Long, L. Yin, S. Kersten, K. Zhang, L. Qi, Hepatic Sel1L-Hrd1 ER-associated degradation (ERAD) manages FGF21 levels and systemic metabolism via CREBH. EMBO J. 37,e99277 (2018).Abstract/FREE Full TextGoogle Scholar

L.-S. Dreher, T. Hoppe, Hepatic ERAD takes control of the organism. EMBO J. 37, e100676 (2018). Abstract/FREE Full TextGoogle Scholar

小胞体関連タンパク質分解(ERAD)が、絶食に関連したヘパトカインFgf21の産生を抑制している。

要約

小胞体関連タンパク質分解(ERAD)は、Hrd1のような細胞質のE3ユビキチンリガーゼに依存するプロテアソームを介した分解経路に、ミスフォールドタンパク質を移行させることで、細胞を保護している。Weiらは、絶食下マウスの肝臓でのHrd1の発現が、再給餌により増加することを見出した。同様にBhattacharyaらは、Hrd1とその必須パートナーであるSel1Lの肝臓中の存在量が、再給餌により増加することを見出した。両研究グループはHrd1(Weiら)またはSel1L(Bhattacharyaら)の組織特異的ノックアウトを作製することで、肝臓のHrd1-Sel1L機能を消失させた。いずれの遺伝子のノックダウンによっても、全般的な成長の低下(体サイズの縮小)、ならびにヘパトカイン線維芽細胞増殖因子21(Fgf21、脂肪細胞を刺激して糖を取り込ませる)を過剰発現しているマウスと類似した代謝的および概日行動の表現型が生じた。さらにいずれのノックダウンマウスも、肝臓のFgf21発現、循環血中Fgf21の存在量、ならびに、絶食下のFgf21発現を刺激する転写因子であるCrebh(cAMP-応答性エレメント結合タンパク質3-様タンパク質3、肝細胞特異的)の存在量の増加を示していた。両研究グループは、Hrd1およびSel1Lが摂食下で、Crebhのユビキチン化およびプロテアソーム分解を刺激することを実証した。Hrd1ノックアウトマウスにおいてCrebhを全身性にノックダウンした、あるいは肝臓特異的にFgf21をノックアウトしたとき(Weiら)、またはSel1LノックアウトマウスにおいてFgf21をノックダウンしたとき(Bhattacharyら)、変異体の成長および代謝表現型がレスキューされた。折りたたみ不全タンパク質(小胞体ストレス)応答(UPR)が絶食後の再給餌により誘導されERADを刺激することを考えると(Dreher and Hoppeのcommentary参照)、UPRは絶食状態に対するFgf21産生の制限にも重要である可能性がある。これらの所見は、Fgf21の産生が給餌条件下でどのように抑制されるかを明らかにしたことに加え、ERのタンパク質恒常性が重要な全身性プロセスと、さらに糖尿病、神経変性、がんなどの病的状態と関連することを示すエビデンスを増やすことにも寄与している。

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