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ビタミンAはどのようにして皮膚を保護するのか

How vitamin A protects the skin

Editor's Choice

Sci. Signal. 16 Jul 2019:
Vol. 12, Issue 590, eaay6954
DOI: 10.1126/scisignal.aay6954

Annalisa M. VanHook

Science Signaling, AAAS, Washington, DC 20005, USA

T. A. Harris, S. Gattu, D. C. Propheter, Z. Kuang, S. Bel, K. A. Ruhn, A. L. Chara, M. Edwards, C. Zhang, J.-H. Jo, P.Raj, C. C. Zouboulis, H. H. Kong, J. A. Segre, L. V. Hooper, Resistin-like molecule α provides vitamin-A-dependent antimicrobial protection in the skin. Cell Host Microbe 25, 777-788.e8 (2019). Google Scholar

J.-M. Schröder , Seeing is believing: Vitamin A promotes skin health through a host-derived antibiotic. Cell Host Microbe 25, 769-770 (2019). Google Scholar

レチノイドは、内因性抗菌タンパク質の産生を誘導することによって、皮膚を感染から保護する。

要約

ビタミンA誘導体のレチノイン酸は、レチノイン酸応答配列(RARE)を含む免疫関連遺伝子の発現を刺激するため、感染に対する防御作用を示す。ビタミンA欠乏は皮膚感染への感受性の増大に関連し、レチノイドが、一部の炎症性皮膚疾患の治療に有効である。Harrisらは、無菌動物を日和見病原体である黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)に曝露すると、マウスのケラチノサイトと脂腺細胞(皮脂腺細胞)がレジスチン様分子α(RELMα)を産生することを見出した。In vitroでは、RELMαとそのヒトホモログであるレジスチン(RETN)が、グラム陰性種およびグラム陽性種の両方に対して殺菌活性を示し、リポソームを透過化したことから、これらはポア形成抗菌ペプチドとして作用する可能性が示唆された(Schröderによる解説記事参照)。RELMα欠損マウスでの実験により、RELMαは皮膚マイクロバイオームの構成の形成に役割を果たすことが示された。ヒト皮脂腺細胞株において、RAREと推定される配列を含むRETNプロモーターが、レチノイン酸受容体(RAR)と免疫沈降し、その活性は、RARが薬理学的に阻害されない限り、炎症性サイトカインであるインターロイキン-1βの存在下で、レチノールによって刺激された。ビタミンA欠乏飼料を与えたマウスでは、RELMαとそれをコードする転写物(Retlna)の皮膚における存在量が少なく、対照と比較して皮膚感染症を起こしやすかった。合成レチノイドであるイソトレチノインの経口投与によって、通常飼料を与えたマウスではRetlna発現が刺激され、ビタミンA欠乏マウスではRetlna発現と感染感受性が改善された。細菌がRetlna発現を誘導する機構を決定するにはさらなる研究が必要となるが、これらの結果からは、ビタミンA誘導体が、皮膚の微生物群集の形成と病原性細菌の定着防止に果たす、重要な役割が明らかにされている。

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